中食市場の拡大に期待
「グリエ」の登場には、シリーズの「健康」と「おいしさ」の両立に加えて、「時短」というキーワードが見えてくる。そう、シャープが、熱視線を送るのは、惣菜や冷凍食品を買ってきて、家で食べる「中食市場」だ。
単身世帯、共働き世帯の増加などから、外食よりもより安価で、かつ自炊のように手間がかからない中食市場が拡大している。事実パン食や、惣菜市場は拡大。スーパーやコンビニの冷凍食品、作り置きなどで家事労働時間を軽減しながら、「手軽においしく」食事をするというスタイルに食のシーンが変化している。そこで、「温める」を、よりおいしくできる機能に特化した商品を、2年前から構想し、今回の販売にこぎつけたのだ。
さらに、「ヘルシオ」はより高額だったため、年齢や収入が高めの層がターゲットだったが、機能を絞り、4万円と値段を押さえたことで、中食市場のメインとなる、より若い世帯への広がりを期待しているという。
ホンハイ効果はいかほど
ここで気になるのは、冒頭でも述べたように、ホンハイと手を組んだことによる影響だ。ホンハイは白物家電の取り扱いがなく、当分はシャープが商品開発をしていくことになるそうだ。消費者が日本製品に期待するのは、品質の高さだが、その点について沖津雅浩取締役は、「絶対シャープ品質を守る」と宣言。
今までは成長のための投資に制限があったが、ホンハイの資本が入ったことによって、「前だけを向いて考えられる」などと商品のラインナップの増加に意欲を見せた。今後は、工場の規模に強みを持つホンハイと手を組むことによって、工場の効率化に投資をし、商品の原価を下げることもしていきたいという。
こういったホンハイの工場利用については、グローバル展開しやすい小型商品が効率がよいそうでメリット、デメリットを考えながら効果的な方策を模索していくという。