ソニーモバイルは、2016年2月にスペイン・バルセロナで開催された「MWC 2016」で、Xperiaブランドのパーソナルアシスタントデバイス「Xperiaスマートプロダクト」を発表していたが、IFA2016ではさらに進化したXperiaスマートプロダクトを展示。さらに、メディア向けラウンドテーブルでその詳細を説明した。

Xperia Ear

Xperia Earは、耳に装着して利用するヘッドセット型のパーソナルアシスタントデバイスだ。スマートフォンとBluetoothで接続し、音声による様々な操作が可能となっている。本体は、重量6.6gと小さく軽い。MWC 2016の時には、2016年夏に発売予定とされていたが、IFA2016にて11月からヨーロッパで発売すると正式発表された。

耳に装着して利用するパーソナルアシスタントデバイス「Xperia Ear」。本体は6.6gと非常に小さく軽い

Xperia Earは11月よりヨーロッパで発売予定

ソニーモバイル スマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏

Xperia Earは、電話の受話や発信、メッセージ送受信、ナビゲーション、検索といった機能を音声で行えるようになっている。例えば、宮本さんに電話をかけたい場合には「宮本さんに電話をかけて」と言えばいい。メッセージの送受信機能では、届いたメッセージ(SMS、LINE、What's Upに対応)を音声で伝えてくれるのはもちろん、声で返事のメッセージを言えば、それが相手に文字で返信される。ニュースや天気などの情報も音声で知らせてくれ、検索ではWikipediaを活用して知りたいことを音声で教えてくれる。

ソニーモバイル プロダクトビジネスグループ スマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏は、Xperia Earを「スマートフォンの画面を見ることなくコミュニケーションが取れるように手助けする機器」と紹介。また、バッテリー内蔵ケースからXperia Earを取り出すと電源が入り、耳に装着すると音声での操作が可能になるというように、各種センサーを駆使してユーザーに余計な手間をかけないという点にも注力している。ユーザーに寄り添い、そこにあることが自然であたりまえになることを意識して開発しているとのことだ。

ケースにはバッテリーを内蔵。本体をしまうと充電され、取り出すと自動的に電源が入る

本体内側には近接センサーを搭載しており、耳への装着を認識すると自動で動作を開始する

耳に装着した状態

電話やメッセージの送受信、各種情報の入手など、ボイスコントロールで様々な機能を呼び出せる

Xperia Earは7つの言語に対応するが、今回は日本語に設定したXperia Earも体験できた。Xperia Earを耳に装着すると「こんにちは」という声が流れ、動作がスタート。メッセージが届くと通知と内容が音声で届けられる。音声で何か聞きたい時には、Xperia Earのボタンを押して話しかけることになる。実際に「今日のベルリンの天気は?」と聞いてみたところ、2秒ほど置いて「今日のベルリンは晴れ、降水確率は0%です」というように、きちんと日本語で返ってきた。音声認識の精度も申し分なく、誰でも快適に利用できそうだと感じた。 また、耳に装着している状態でも、メッセージなどの通知を除いて不要な情報が頻繁に届けられることがなく、常に装着していても不快にはならないだろう。

日本語にも対応しており、実際に問題なく声で情報を入手できた

音声認識はスマートフォンではなくクラウドで行うそうで、ネットワークに接続している状態でなければボイスコントロールは行えない。この点は少々残念だが、スマートフォンの画面を見ることなく様々な情報に触れられるという点で、かなり有用なデバイスと感じた。