映画の役と重なる部分
――ふだんから一緒にお仕事をされている3人が映画で共演してみて、新たな発見はありましたか?
松村:今回は2012年の『私立バカレア高校』や、これまで共演した作品とはまた違う作風で、「こんな作品も一緒にできるんだ」と思えたことはすごい発見でしたね。
ジェシー:コメディアンテイストがはじめてだから。
松村:コメディアンテイスト!? それ個人的な話だよね(笑)。
ジェシー:言いたいことわかるでしょ!(笑)
田中:コメディテイストね。
ジェシー:『バカレア』よりもコメディテイストが強いから、みんな大人になったんだなと。恥ずかしさがなくなってると僕は思います。
田中:僕の発見としては、あんなに楽しそうな北斗をはじめて見たことですね。何年も一緒に仕事をしているけど、同世代の(小西)成弥とかもいて、北斗がすごく楽しそうに仲良くなっているところを初めて見ました。
ジェシー:もう、(SixTONESの)メンバーとしゃべるより楽しそうだったしなあ。
松村:(笑)
田中:嫉妬というか(笑)
松村:特にメンバーの6人でいるときは、他の5人がすごくしゃべるから、その話をきいてたり、一人でぼーっとしてたりすることが多いんです。
――それは新しい発見ですね。今回は役柄と本人のキャラクターが近いと言われてましたが、例えばこんなところが、というのはありますか?
田中:ジェシーは、天然ですごい親父っぽいギャグとか言ってきます。いかにも「俺、面白いだろ」みたいな感じで。
松村:現場でもすごい言っていたんですよ。「一緒に行こう! 吉幾三!」「いや~ごめんごめんごめんな西郷隆盛」とか、やったあとにジェシーが「きたな……」って言うんですけど、実際試写で見たら、全部カットされてた!
ジェシー:当たり前じゃん! 自分でもわかってるよ!
松村:それが面白くて。ジェシーも「ああ全部カットされてる……」って言うから、カットされてはじめて面白いなと。
ジェシー:笑わせるのが好きなので。
田中:一緒にいるとずっとしゃべりかけてくるんですよ! すごくしゃべるし、役と一緒で、憎めないところがありますよね。
松村:確かにそうかもしれないですね。樹とかに「軽くコーヒー飲まない?」と言われても、「ちょっと帰るわ」と言うけど、この前ジェシーに「おねがいおねがい! 一杯だけ一杯だけ!!」と誘われて行っちゃいましたからね(笑)。
もし超能力が使えるなら?
――作品では超能力が鍵となっていますが、こんな超能力があったら、というものはありますか?
ジェシー:きた!
田中:瞬間移動だわ! ちょっとハワイいきたいなって思ったらシュッと瞬間移動できちゃうし。小さいころから、瞬間移動とか、スパイダーマンとかに憧れて、ずっと練習して……。
松村:出るわけないじゃん!
田中:ないんだけど! 世界中に出る人が一人だけいるとしたら、俺かもしれないじゃん。
松村:万が一、自分が”出る人”だったらまずいから、練習しとこうという。
田中:そう!
――ジェシーさんはいかがでしょうか。
ジェシー:僕はモノになります。たとえばコップの気持ちを知りたいと思ったらコップになって、テレビの気持ちが知りたかったらテレビになったりとか。
田中:なりたい? コップに!?
ジェシー:だってコンクリートとか、ずっと踏まれてるんだよ! かわいそうじゃん! ずーっとだよ? 知りたい、僕は。
松村:僕が面白そうだなと思うのは、他人に入り込む能力ですね。部屋で一人で椅子に座ってる時だけ違う人になれるような。例えば樹に入り込むとしたら、樹の目線になるけど、思考や動きは樹本人なんですよ。僕に戻ってきたときに、その記憶が残ってるような能力で、いろんな人になってみたいな。
ジェシー:やっぱり気持ちが知りたいんだ。
松村:ちょっと違うかな……コップになって「お茶冷たいな」ってそういうことじゃなくて(笑)。たとえば工事現場で働いてる人になったとして、でも思考や動きが僕だったら「ただの働いてる松村北斗」だから。その人のままの中に入って、自分に戻った時に色々思いをめぐらせたいですね。