モニターには3.2型・約162万ドットのTFT液晶を搭載。EOS 5D Mark IIIよりも精細化したほか、反射の低減や強度の向上を図っている。さらに静電容量方式のタッチパネルも採用。メニューの項目選択や、ライブビュー動画撮影時のAFフレーム移動、タッチシャッター、再生時のコマ送り、拡大・縮小表示などがタッチ操作で直感的に行える。

画面上の被写体をタッチして、ピントを合わせたい位置を選択したり、合焦と同時にシャッターを切ったりできる

メニューやクイックメニューの操作もタッチパネルによってスムーズに行える

液晶モニターの色調は、暖色、標準、寒色1、寒色2の4色から選べる

EOS 5Dシリーズ初のデュアルピクセルCMOS AF対応

ライブビューについては、5Dシリーズでは初めて「デュアルピクセルCMOS AF」に対応。1つの画素から2つの画像信号を検出して像面位相差AFを行う、同社の独自技術である。これによって、ライブビューおよび動画撮影時のAF駆動がスピーディになり、使い勝手が大きく向上した。

像面位相差AFは、画面の縦横約80%という広範囲で作動し、ライブビュー時の低輝度限界はEV-4という暗さに対応。ライブビュー撮影直後に液晶がブラックアウトする時間が短縮されたこともありがたい。

ライブビュー時のAFは、「顔+追尾優先AF」「ライブ多点AF」「ライブ1点AF」の3モードから選べる

さらに注目したいのは、デュアルピクセル技術の応用として「DPRAW (デュアルピクセルRAW)」と呼ばれる特別なRAWデータで記録できるようになったことだ。このDPRAWデータは、付属ソフト「Digital Photo Professional」を使って現像する際に、解像感補正、ボケシフト、ゴースト低減といった3つの機能を適用できる。

撮影メニューからDPRAW撮影を選べる。通常のRAWデータ1枚のファイルサイズは35~40MB程度だが、DPRAWデータの場合は60~80MB程度になる

ボケシフトの適用前。草木の前ボケによって、看板の「C」の文字がやや隠れている

ボケシフトの適用後。カメラの撮影視点を右方向に微調整したことで、前ボケが全体的に左に移動したことがわかる

ゴースト低減の適用前。ランプからの強い光がレンズに直接当たったため、中央に大きなゴーストが生じている

ゴースト低減を適用後。完ぺきには消せなかったが、ゴーストが小さくなったことがわかる