ラストは最大風速30メートルもの風と雨を体験できる「暴風雨体験コーナー」だ。取材時は取水制限のために残念ながら暴風のみとなったが、風速30メートルの風は大人を後ずさりさせるのに十分な威力だった。

この機械で風の強さを調節する

最大風速30メートルは台風並みの風だ

60kgの筆者は最大風速30メートルの風に押し負けた

なおこの後、今回は取材ということで特別に5つめのプログラムとして「応急手当」を体験させてもらった。本来のツアーでのプログラムは、心臓マッサージとAEDの使用方法を学べるが、筆者は心臓マッサージのやり方だけを内田さんに教えてもらった。

胸骨の真ん中をマッサージしないと意味がないことは知っていたが、「骨の上に手のひらの根元が当たるようにする」「1分間に100回~120回程度押さないといけない」などは知らなかった。マッサージ部分が5cm程度へこまないといけないとのことで、かなり体力を要することも実感できた。体験したプログラムすべてにおいて、学ぶところが多く非常に有意義な時間を過ごせた。

AED(手前)の使用方法も防災館では学べる

いつやってくるかわからない災害への備えを

同館には平均して毎日350人ほどが訪れる。中には、日本に語学留学に来た中国人や韓国人など、地震がない、もしくはほぼない地域で育った来訪者も少なくないという。筆者が取材した日も、団体の中国人学生がツアーに参加しており、熱心に各プログラムを体験していた。そのほか、夏休み期間中ということもあってか、親子で参加する姿も目立った。

本所防災館では非常食なども販売されている

大規模災害時には年齢や人種に関係なく、皆が自身の、あるいは他人の命を守るために全力を尽くさなければならない。地震の日は毎年9月1日に必ずやってくるが、災害はいつやってくるかわからない。来るべき日に備え、大人も子どもも学べる防災館を一度、訪れてみてはいかがだろうか。

●information
・施設名 東京消防庁本所防災館
・住所 東京都墨田区横川4-6-6
・開館時間 午前9時~午後5時
・休館日 水曜日・第3木曜日(国民の祝日に当たる場合は翌日になる)および年末年始(12月28日~1月4日)
・入館料 無料(要予約)