毎年、夏休み中に「本戦」が開催される「写真甲子園」こと全国高等学校写真選手権大会。第23回となる今年は7月26日~29日の期間、北海道・東川町を中心としたエリアに、各地で選出された代表18校と特別招待枠の八代白百合学園が集結した。

筆者が写真甲子園を取材するのはこれで3年連続3度目。写真のことだけを考えられる取材期間は、(早起きさえなければ) まさに至福のとき。選手たちの作品や審査委員の先生の講評から新しい気づきを得て、(身体は疲れますが) 心がリフレッシュされる。

とくに今年の本戦は、初出場校が12校と全体の半数以上。東京ブロックでは、審査委員長の立木義浩氏が「あんたたちの写真はめちゃくちゃだから革命的なわけよ!」と評した東京都立総合芸術高等学校が代表に選ばれるなど、写真甲子園の潮目が変わる大会になるのでは、と予感させられたが、実際の結果やいかに。

写真甲子園・本戦の流れ

まずは大会概要を簡単に説明したい。写真甲子園は「本戦」の撮影フィールドでもある東川町、美瑛町、上富良野町、東神楽町、旭川市や、北海道新聞社などで構成される写真甲子園実行委員会が主催し、キヤノンおよびキヤノンマーケティングジャパンが特別協賛社としてサポートしているイベントだ。

本戦は、事前に応募された作品を評価する場ではなく、高校生3人と監督1人の出場校チームが現地入りしてから撮影を開始、各日ごとのテーマに沿った8枚組の作品を提出し、審査委員から講評を受ける形式で進められる。詳しくは前年のレポートを参照いただきたい。

2日目の撮影ステージ、東富良野町にて

人物や仕事風景を撮ろうとすれば、撮影の許可を得る必要がある。コミュニケーション力も問われる

牧草ロールの前でセルフィ撮影。リモコンの使用は許可されていないので、タイミングを図るのが難しい

ルール上、撮影後にパソコンで現像・編集することは許されていない

選手が使うカメラやレンズ、スピードライトなどの撮影機材やプリンターはキヤノンが全面協力。ボディはEOS 8000Dが使用された。サポートカーが撮影フィールドを巡回する

選手に配られたランチセットが筆者にも用意されていた。地元の方の温かい心遣いもうれしい

撮影したその日に写真をセレクトし、8枚組みの作品として提出する。監督がアドバイスできる時間は限られており、選手の自主性に任せる高校がほとんどだ

そして即日、作品をプレゼンテーションして、審査委員から講評を受ける。審査委員のみなさんはときに厳しく、ときに笑いながら、アドバイスしてくれたり、励ましてくれたり。3日間のうちに飛躍的に成長するチームも見受けられた

特別招待枠で出場した熊本県の八代白百合学園。最終日には「東川の皆さん ありがとう 熊本は元気です」とバックプリントを入れたTシャツを着用。びっしりと寄せ書きが集まっていた