手漕ぎ式の車椅子ユーザーは、米国内だけで220万人いると言われている。Appleは、車椅子を利用する人々にもApple Watchによって、よりアクティブな生活を送れることを目指している。

車椅子利用者向けに用意された「ロール」機能

Apple Watchには、1時間に1分は立ち上がることを促す「スタンド」機能がある。車椅子利用者向けにはこれを「ロール」機能に変え、同じように、1時間に1分は体を動かすよう促す。また、車椅子での「プッシュ」や移動距離は、iOS 10の「ヘルスケア」アプリに記録され、日々の活動量の記録を振り返ることができるようになる。

繰り返しになるが、車椅子利用者向けの特別なデバイスや、車椅子の改造などは必要なく、ただ手首にApple Watchを装着し、車椅子モードに設定すれば、カロリーと距離の計測が行えるようになるのだ。

Apple Watch向けのwatch OS 3は現在、開発者向けのプレビューが公開されている。正式リリースされ、世界中のより広い人々に使われるようになると、例えば氷や雪といった気象条件や砂漠、そして欧州に多い石畳など、様々に異なる地面での利用が考えられる。おそらく今後も、ユーザーからのフィードバックによる洗練していくことができるのだ。

また、Appleもしくは同社からスピンオフした開発者が、全く新しい車椅子を開発する未来もあるかもしれない。またパラリンピックの選手にとって、より効果的なトレーニングへの活用手段として、標準的なデバイスの座を勝ち取る可能性もある。

watchOS 3を搭載するApple Watchは、そうしたブレークスルーのきっかけをもたらした、と振り返ることができるようになるまで、そう長い時間は必要ないだろう。