話が少し戻るが、Liquid Jade Primoは、国内のWindows 10 Mobileスマートフォンとしては最高クラスのスペックを持つ。高性能な端末を存分に活用できるように、アクササリーの同梱セット販売になったのだろう。
価格的には「高すぎるのではないか」という向きもその通りだが、「買ったその日からContinummを利用できる」という点で、むしろ「スマートフォンを購入する」のではなく「最小サイズのWindows 10 Mobileパソコンセットを買う」というほうがしっくりする。日本エイサーの製品発表会にて、「あえてポケットPCと呼んで欲しい」という発言があったのだが、製品のセット内容を見れば、まさにその通りといってよいだろう。
Liquid Jade Primoを「パソコン」として使うContinuum for Phone機能だが、国内向けWindows 10 Mobileスマートフォンでは初めて、有線接続が可能になっている。同梱のドッキングステーション、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボードを使えば、HDMI入力端子を持ったディスプレイやテレビに接続して、デスクトップパソコンのように利用できるわけだ(基本的にマルチウィンドウ未対応といった制限はある)。なお、HDMIケーブルは同梱されておらず、自前で用意する必要がある。
Continuumの開始はいたって簡単だ。ドッキングステーションとACアダプタを接続し、HDMI端子のあるディスプレイやテレビなどとドッキングステーションをHDMIケーブルでつなぐ。続いて、Liquid Jade Primo本体のアプリ一覧から「Continuum」を選択し、表示された画面右下の「セットアップ」をタップして「有線ドック」を選ぶ。そしてドッキングステーションにLiquid Jade Primo本体をセットすると、外部ディスプレイにWindows 10 Mbileの画面が表示される。
同梱のキーボードやマウスは、USBレシーバーをドッキングステーションのUSBポートに接続して使う。特別な設定はいらない。キーボードとマウスがあるだけで、デスクトップパソコン(Windows 10)とほぼ変わらない操作感が得られる。Officeファイルの編集や閲覧、WebのブラウジングやSNSの利用、さらには映像やゲームなども、大画面でのほうが快適なのはいうまでもない。なお、ドッキングステーションとHDMIケーブルを用いた有線接続だけでなく、Miracastを利用したワイヤレス通信でもContinuumを利用可能だ。
このように、大変おもしろいハイスペックWindows 10 Mobileスマートフォンとして登場するLiquid Jade Primoだが、先にも記したように、いまのところ法人向けの製品としてダイワボウ情報システムを通じて販売されることになっている。「個人向けとしても販売は検討している」とメーカー関係者から説明はあったものの、このレビューを書いている時点では未定だ。また、Liquid Jade Primo単体で販売する予定はないとのこと。
魅力的な製品であるがゆえに、一般ユーザーの注目度の高いLiquid Jade Primo。ぜひ、一般向けの販売も実現してもらいたいものだ。