音声でのアプリの呼び出しについて、iOS 10で何が起きるのかを紹介してきた。まだ6つのカテゴリに限られているとはいえ、Siriから普段よく使うアプリの機能を呼び出せるようになる点は、Siriの活用が伸びるきっかけを与えてくれることになるはずだ。

Siriは音声アシスタントに名付けられた名前だが、Siriというブランドは、端末に備わるユーザーを手助けする「賢い」アシスタントという位置づけとなっている。

WWDC16では、「Siri Intelligence」というスライドを見せ、QuickTypeではメールやメッセージの目的に応じて予測入力の言葉のていねいさを調節したり、端末に保存されている連絡先やスケジュールの情報を提案する機能を紹介した。また、相手によって、最適な通話やメッセージアプリを記憶する機能は、名前だけを告げてメッセージや通話をSiriから行う際に円滑な操作を可能としてくれるだろう。

iOS 10で、iPhoneの中では、明らかに大きな変化が起き始めている。この話題について、次回触れたいと思う。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura