2,048段階の筆圧感知のペン入力性能を試すため、今回ちょっと丁寧にバラの絵を描いてみた。ペンの書き味はかなり良く、アプリによっては力の入れ具合で線の太さや濃さを描き分けられるため、紙に鉛筆や筆で描いている感覚でスケッチを楽しめる。また直線や曲線を描いても、細かなブレで意図せず線ががたつくこともなく、滑らかに引けるのも好印象。ペンの追随性も良好で、シンプルなブラシなら筆跡がペン先から遅れず追随してくれた。

今回はバラの絵をちょっと丁寧に描いてみた。本格的なイラストの仕上げまで行うにはもう少しパワーがほしいが、手書きメモやスケッチ、下絵程度なら実用に耐えうる性能だ

使っていて若干気になったのが、お絵描きアプリ「Fresh Paint」使用時、負荷が高くなったときの筆跡の追随性だ。電源コードをつないで長時間使っていると本体が少し熱くなるが、そういったときにペンで線を引くとペンを動かしている間は筆跡が表示されず、動かし終わった後に一気にストロークが描画されることがあった。もっとも、今回試した範囲ではバッテリ駆動のときは同様の現象は起きなかったので(そもそもバッテリ駆動時はそこまで本体が熱くなることがなかった)、普通の使い方で問題になることはあまりないだろう。

なお、本機には「OneNote」や「Fresh Paint」などの定番アプリのほかに、手書きで文字や図を描けるノートアプリ「MetaMoJi Note Lite for NEC」もプリインストールされている。方眼や横罫、カレンダーなど、複数の用紙やテンプレートが用意されており、目的にあわせて使い分けられるのが思いのほか楽しかった。

ペンはワコム製で、ペン横のボタンやペン先の感度などをカスタマイズすることも可能

ノートアプリ「MetaMoJi Note Lite for NEC」など、便利なアプリが付属する。タブレットとペンの組み合わせによっては、ディスプレイのガラスを固いものでひっかくような感じが気になることがあるが、本機はそういったカチカチした感触が少なく、ガラス表面をペン先がツルツル滑る感じも少ない

標準でデジタイザーペンが付属し、手書きメモやスケッチが快適に楽しめるWindowsタブレット「LAVIE Tab W TW710/EAS」。前モデルからの変更点はCPUのアップデートとアプリの強化程度と小規模ではあるが、もともとタブレットとして高いレベルにある製品なので、実際に使っていても不満を感じることはあまりなかった。あえて注文をつけるなら、専用のDC電源コネクタ経由ではなくmicroUSBやUSB Type-Cなどのより汎用的なコネクタで給電できるようにしてほしいことくらいだろうか。

Windows 10アプリをそのまま使用でき、IEEE802.11ac(867Mbps)にも対応したワイヤレスLANを採用し、標準サイズのUSB3.0を装備するなど、タブレットだけでなくPCとしての使い勝手も十分考慮されているので、コンパクトで実用的なタブレットを探している人は、ぜひ注目してみてほしい。

付属のACアダプター。コンパクトで本体と一緒に持ち歩いてもあまり苦にならない

製品名 LAVIE Tab W TW710/EAS
CPU Intel Atom x7-Z8750(1.60GHz)
メモリ 4GB
ストレージ 64GB フラッシュメモリ
光学ドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 405(CPU内蔵)
ディスプレイ 10.1型ワイド(1,920×1200ドット)
ネットワーク IEEE802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0
インタフェース USB 3.0×1 、microHDMI×1 、マイク入力など
メモリースロット microSDカードスロット
サイズ/重量 W256.5×D177×H9.1mm/約597g(いずれも本体のみ)
バッテリ駆動時間 約11.5時間(Wi-Fi接続時)
OS Windows 10 Home 64bit
店頭価格(税込) 77,500円前後