ユーザーエクスペリエンスの向上
ロック画面からのアクセスが簡略化された。iPhoneを持ち上げるだけでスリープから復帰。ロック画面上で表示されている通知は3D Touchから確認でき、メッセージなら、そのまま返信できる。サードパーティのアプリにも開放することが明らかにされており、デモではUberを利用していた。3D Touchの強化は、他にも通知の全消しなど広範囲に渡る模様だ。
Siriの機能強化とサードパーティへの開放
またしてもSiri。こちらもサードパーティへの開放をアナウンス。メッセージや写真の検索、ワークアウトやモバイル決済、VoIPでも使える。デモでは、中国で普及しているチャットアプリ"WeChat"を使ってのメッセージ送信などが披露された。
キーボードの機能強化(QuickType)
入力した内容によって、変換候補を適切にサジェストする、GPSを利用して、現在の位置情報を変換候補として提示、時間に関連したテキストを入力するとカレンダーから空いてる時間を提案、「設定」からの切り替え無しで、異なる言語を同時入力することなどが可能になる、QuickTypeと呼ばれる機能を搭載。日本語への対応は現時点で不明。
写真アプリの強化
顔認識および場面認識を搭載し、それらを条件にした検索が可能となる。一枚の顔、場所、物の写真を分析するのに、110億もの計算を行っているそうだ。新たにMemoriesという撮影した場所やイベントごとに分類してくれる機能が追加。この機能でまとめられた写真や動画、Live Photosをくっつけてムービーを生成させる機能も追加された。この機能にはBGMをつけることもでき、簡易版のiMovieのような使い方ができる。印象としては、そのiMovieの利用を促す導線といったところか。
マップアプリの強化
登録した予定から、近隣の特定の場所やそこまでの道程をサジェストする機能が加わる。また、ナビゲーション機能においては、リアルタイムで交通情報を取得できる。目的の道中にある施設やショップを検索することも行えるようになる。さらにマップから直接別のアプリを呼び出して、レストランの予約やタクシーの呼び出しができる。プレゼンではUberとの連携を紹介。今回はこのUberやLyftを使ったデモも目立った(デモ担当はエディ・キュー)。いずれの機能も日本での対応は不明。
Apple Musicを再構築
1,500万メンバーを超えたというApple Musicを利用するための、ミュージックアプリの構造を変更。タブがライブラリ、For You、ブラウズ、ラジオ、検索となり、並びも変わる。聴いてる曲の歌詞の表示機能に対応。これはカラオケ向けか。デモはApple Music & iTunes グローバル コンシューマ マーケティング ヘッドであるボゾマ・セイント・ジョンが担当。彼女もジョークの達人と見た。
ニュースアプリを改良
日本では未提供のニュースアプリも改良が施される。デザインが変更されるのに加えて、サブスクリプションの購読が追加された。個々のユーザーにあわせたニュースをTOP STORIESとして配信するほか、購読しているニュースおよび臨時ニュースを通知する機能を装備。個人的には、やはりこれがWeb媒体としては一番ヤバい機能だと感じており、どのタイミングで国内ローンチするのか、また、そのタイミングでiOSの国内シェアがどうなっているのかでビジネスモデルに変更迫られる可能性もあると睨んでいる。業界関係者は動向を絶対に追いかけるべき。2,000タイトルが配信され、6,000万人の月間アクティブユーザーという事実を見よ。デモでは三たび、エディ・キューが登壇。
新アプリ"Home"
HomeKit対応のデバイスが増えたことから、単体のアプリとしてHomeが追加される。個別に機器を制御できるほか、グループを設定しておき、グループ化した機器をまとめてコントロールすることも行える。Apple TVと連携することで、外出先から自宅にある機器を操ることも可能。
電話アプリの機能強化
音声通話のテキスト化や、見覚えない番号から電話がかかってきたとき、相手の番号を検出して、イタ電と判別して通知する機能などが追加される。
メッセージアプリの大幅な機能強化
iOS ソフトウェアプログラム担当ディレクターのベサニー・ボンジオルノとデザインチーム ディレクターのイムラン・チャウドリによるデモ。メッセージアプリの機能の詳細はこちらを参照いただきたい |
メッセージでは、リンク先を会話内で表示する機能が追加。会話内で動画の再生なども可能となる。絵文字は表示が3倍になって、LINEやFacebookなどのSNSで提供している「スタンプ」のような感覚で利用できる。テキスト入力した文言を絵文字化できる場合はサジェストする。さらに、吹き出しに叩き付ける、ブワっと膨らむ、何が写ってるか分からない写真が段々と明らかになっていくなどの視覚面でのエフェクトが強化されている。手描きの文字も送れるようになり、Digital Touchにも対応。視覚効果を背景でフルスクリーン表示するといったこともできるようになる。
ここで、iOS ソフトウェアプログラム担当ディレクターのベサニー・ボンジオルノとデザインチーム ディレクターのイムラン・チャウドリがステージへ。紹介してきた新機能のデモが始まる。二人の掛け合いも面白かったが、写真に手描きの文字をのせてグリーティングカード風に演出できるなど、複合ワザも使えることが分かった。
メッセージもサードパーティに開放。これでスタンプのようなものが沢山出てくる可能性が出てきた。スタンプは静止画に限らないようで、デモではピクサー映画のキャラクターが動いていた。
これだけに留まらない、グループメッセージからデリバリーの注文が行えるのだ。メニューを確認、注文、支払いという流れがメッセージアプリ内で完結するという恐ろしいことになっている。段々と、これ、本当にメッセージアプリなんだろうかという気がしてきた。
10のフィーチュアを説明し終えて、最後は改めて、プライバシー保護の重要性を強調。司法省とガチのバトル仕掛けるんだから本気なの、この人たちは。