watchOS エンジニアリング担当バイスプレジデントのケヴィン・リンチ

そして、基調講演で語られるwatchOS、tvOS、OS X、iOSの4つのプラットフォームに触れ、ここでMCを、watchOS エンジニアリング担当バイスプレジデントのケヴィン・リンチと交代。watchOSのプレゼンが始まった。

アプリの起動高速化、コントロールセンター、ドック、返信オプション、Scribble機能などが紹介された

今回のアップデートで最初に語られたのは、アプリの起動高速化。現在と比べて約7倍早くなるという。iOSと同様の下方からのスワイプに依るコントロールセンター起動、サイドボタンからお気に入りや最近使ったアプリを表示するドック機能、メッセージに対する返信で、返信候補がすぐに見つかる返信オプション、手書きをテキストに変換してくれるScribble機能、ミニーマウスなどのウォッチフェイスの追加(ウォッチフェイスは横方向のスワイプで即時の切り替えが可能に)を紹介し終わったところで、Apple Watch ソフトウェアプログラム担当ディレクターであるステイシー・ライシックのデモがスタート。ウォッチフェイスは一日の間で、複数を使い分ける人が多いようで、そういったニーズにあわせてForce Touchからスワイプでの変更へと切り替えられたようだ。Scribble機能は英語と中国語に対応。漢字がいけるなら日本語も……と思ったのだが、今年のWWDCで発表された幾つかのテクノロジーは、明らかに中国市場を見据えたものであった。Scribble機能は間違いなく、その一つである。

サイドボタンを押し続けることで救急へ連絡できるSOS機能

デモ終了で、再びリンチが。事故や急病の際にサイドボタンを押し続けることで救急へ連絡できるSOS機能が紹介された。これは世界中で利用が可能だ。

フィットネス&ヘルステクノロジー担当ディレクター のジェイ・ブラニック

次にステージに現れたのは、筆者のダイエット計画を成功に導いてくれた恩人、フィットネス&ヘルステクノロジー担当ディレクター のジェイ・ブラニック。

アクティビティの共有機能、Breatheアプリなどが紹介された

まずはアクティビティの共有機能を紹介。家族や友人とアクティビティの進行状況を確認しあえる。この機能、個人的には、もっと早く欲しかった。続いて、車椅子利用者に向けた機能が搭載されることがアナウンスされた。車椅子を動かすことで、ムーブゴールを計算してくれる。スタンドゴールに代わって「回そう」ゴールという名称がつけられた。この辺の配慮は、実に「らしい」なと感じたところだ。新登場となるBreatheアプリは定期的な深呼吸をサポートする。

最後にリンチが、その他の機能をまとめてwatchOSのプレゼンは終了。開発者プレビューは本日より、正式版は今秋の提供を予定している。全体的に、かなり使用感が変わるだろうなという印象だ。サイドボタンの役割やスワイプで表示される事項が大きく変更されるのは確定的である。ただ、それらは決してマイナスではない。むしろ、ハードウェアの変更でなく、ソフトウェアでユーザーエクスペリエンスを向上させるというアプローチを高く評価したい。