本機のプロセッサやグラフィックスなどは、基本的に前モデルから変更はない。CPUは従来通りIntelの第6世代Core i7-6700HQ(2.60GHz)を採用しており、メモリはPC3L-12800を8GB(4GB×2)搭載している。グラフィックスはCPU内蔵のIntel HD Graphics 530で、ストレージは1TBのSSHD(5,400rpmのHDD+NAND型フラッシュメモリ)だ。
いずれもホームノートPCとしては十分な性能だが、パフォーマンスを重視するユーザーの期待にどれくらい応えてくれるのだろうか。そこでいくつかベンチマークソフトを使って性能を評価してみた。
まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exe
プロセッサ | 8.2 |
---|---|
メモリ | 8.2 |
グラフィックス | 5.5 |
ゲーム用グラフィックス | - |
ハードディスク | 5.9 |
高性能ノートPC向けのHQシリーズの4コアCore i7を搭載していることもあって、プロセッサの性能は非常に高い。一方、グラフィックスはCPU内蔵のものということもあって控えめなスコア。ディスクはHDDとフラッシュメモリのハイブリッドドライブ(SSHD)を採用しているが、WinSATの結果を見る限り一般的なHDDとそれほど差はないようだ。
CINEBENCH R15
次に、CINEBENCH R15でCPUパフォーマンスをチェックしてみたところ、662cbというスコアになった。デスクトップ向けのCore i5上位モデルといい勝負で、ノート向けのCPUとしてはかなりハイレベルだ。
PCMARK 8 HOME ACCELERATED 3.0
続いてPCMARK 8 HOME ACCELERATEDを実行してみたところ、下図のようにスコアが2800となった。
HOME Score | 2800 |
---|---|
Test duration | 40min 55s |
Web Browsing - JunglePin | 0.39663s |
Web Browsing - Amazonia | 0.17503s |
Writing | 8.35664s |
Casual Gaming | 31.15fps |
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 | 30.04fps |
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 | 61.33333ms |
Advanced Photo Editing part 1 | 0.23269s |
結果を見ると、画像・図版入り文書を作成する際の処理速度を見るWritingのスコアがHDDを搭載した同クラスのノートよりも若干遅めなのが少し気にかかるが、他は全体的に好成績。
CrystalDiskMark
そこで「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリード、ライトは110MB/s前後と一般的なHDDとそれほど変わりないが、PCの起動などに関係する4Kや4K Q32T1の数値がHDDよりも高め。実際、OSの立ち上がりやアプリの起動などは体感的にもHDDより高速だった。容量面にメリットがあるとはいえ、SSDに比べるとやはり速度は見劣りする。SSDも一時期よりだいぶ安くなってきているので、そろそろT95シリーズにも搭載してほしいところだ。
3DMARK
次に、グラフィックスの性能を見るため3DMARKを試してみたところ、ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が3430となった。CPU内蔵グラフィックスということもあって、スコアはそれほど高いわけではないが、軽めのゲームなら十分楽しめそうだ。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
そこでゲーム系のベンチマークも試してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは次の結果になった。
■「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」ベンチマーク結果 | ||
グラフィック設定 | 1,920×1,080ドット | |
---|---|---|
低品質 | 5325(快適) | |
標準品質 | 4495(普通) | |
最高品質 | 3370(普通) |
ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター
次に、FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編も試してみた。
■FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | |||
解像度/品質 | 1,920×1,080ドット | 3,840×2,160 | |
---|---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 2997(やや快適) | 824(動作困難) | |
高品質(ノートPC) | 1776(設定変更を推奨) | 468(動作困難) | |
最高品質 | 1306(設定変更が必要) | 350(動作困難) |
結果を見ると、フルHDでも品質を欲張らなければそこそこ快適に遊べそうだ。さすがに4K解像度だとゲームプレイは厳しいが、4K動画の再生は快適に行うことができた。最新の3Dゲームや4K映像の編集をストレスなくこなしたいという向きにはちょっと力不足だが、動画の鑑賞がメインなら本機でも十分といえそうだ。
なお、本機はパフォーマンスを重視したモデルのためバッテリ駆動時間がJEITA 2.0で約3.5時間となっており、最近のノートPCとしては短め。バッテリベンチマークソフト「BBench」を「60秒間隔でのWeb巡回」、「10秒間隔でのキーストローク」に設定、電源プランを「ecoプラン」に変更し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計測したところ、3時間54分という駆動時間だった。
高めの実売価格も納得の一台
薄く見えるよう意識したデザインの本体に、4コアCPUと4K液晶ディスプレイを搭載したdynabook T95/V。前モデルからハードウェア性能に変化がないことや、SSDよりも速度面で不利なSSHDを採用している点など、細かく見ると少し惜しい部分もあるが、その美麗な4K液晶ディスプレイだけでも魅力は大きい。加えて、高性能プロセッサやharman/kardonのステレオスピーカーなどを搭載していることを考えれば、20万円代強というノートPCとしては高めの実売価格も納得できる。4K環境に興味があるPCユーザーには、ぜひ注目してほしい製品だ。
製品名 | dynabook T95/V |
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CPU | Intel Core i7-6700HQ(2.60GHz) |
チップセット | Mobile Intel HM170 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 1TB SSHD |
光学ドライブ | ブルーレイディスクドライブ(BDXL対応) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 530 |
ディスプレイ | 15.6型ワイド(3,840×2,160ドット、タッチ対応) |
ネットワーク | IEEE802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0、1000Base-T/100Base-TX/10Base-T準拠の有線LAN |
インタフェース | USB 3.0×4、LAN、HDMI出力、ヘッドセット/ヘッドホンなど |
メモリースロット | ブリッジメディアスロット(SDXCメモリカード/マルチメディアカード) |
TVチューナー | ― |
サイズ/重量 | W380.0×D259.9×H24.5mm/約2.4kg |
OS | Windows 10 Home 64bit |
店頭予想価格(税込) | 226,000円前後 |