日本と比べると海外、特に米国のクラウドファンディング市場は遥かに規模が大きい。より大きな市場にリーチしたい日本企業が、Makuakeら国内のサイトをスルーし、DMM Starter経由で最初から海外での資金調達に挑むこともありえる話だ。
国内と海外、2段階で資金調達を実施可能な体制
「海外でクラウドファンディングに挑む日本企業には、ステップアップとして国内での資金調達に成功し、ノウハウを蓄積してもらいたい」。サイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈氏は、同社がDMM Starterに参画した思いをこのように語る。まずは日本で資金調達を行う企業が増えれば、当然ながら国内のクラウドファンディング市場は活性化する。DMM Starterとの連携では、国内から海外へと日本企業が資金調達のステージを上げていくような流れを作れるか検討しているようだ。
DMMがサイバーエージェント・クラウドファンディングと組んだ狙いは、案件の掘り起こしにあるようだ。DMM StarterではMakuakeで資金調達を実施した企業にも積極的に声を掛けていく方針だという。DMM取締役の村中悠介氏は、「Makuakeで(資金調達に)失敗した人であっても、(製品を)ブラッシュアップしている可能性がある」との考えを示した。
日本では受けなくても、海外市場に挑戦することで人気に火が付く製品は確かにありそう。DMM Starterでは、国内と海外の双方で時期をずらして資金調達を行うこともありうるという。クラウドファンディングはプロモーションやマーケティングなどにも使えるため、国内外で製品をPRしたい日本企業にとってみれば、Makuakeも使えるDMM Starterという枠組みは魅力的なサービスに映るかもしれない。
DMM Starterの事業性は
これまで様々な新規事業に取り組んできたDMMだが、新サービスの事業性についてはどのようにみているのだろうか。コンサルティング料金が主な収入源となるので、DMM Starterを使う企業が増えれば増えるほど収入は伸びていくわけだが、問題は40万円という同サービスの月額利用料金が、海外で資金調達に挑む人々にとって高いと映るか、安いと映るかだ。
新製品のアイデアはあっても、量産の資金が工面できないという企業または個人が、利用料金を払えないためにDMM Starterの活用を断念するような事態はDMMらも避けたいところだろう。そこでDMM Starterが用意したのが、政府系機関や自治体などの補助金・助成金を組み込んだ特別な料金プランだ。