DMM.comが海外展開に意欲的な日本企業をサポートする新サービス「DMM Starter」を立ち上げた。キックスターターやインディーゴーゴーなど、海外のクラウドファンディングに挑戦する日本企業に対し、DMMと連携企業は案件の登録代行や資金調達成功後の販路拡大といった手厚い支援を行う。エッジの効いた新製品・作品を抱えていても、海外展開はハードルが高いと感じている日本企業には朗報となりうる同サービス。日本から世界的なヒット商品が生まれる可能性は高まるのだろうか。

PR会社のバリュープレスやCerevoなど、様々な業種の企業が参加。申請予定企業は楽器アプリ「KAGURA」を手掛けるしくみデザインら4社だ

アート系からプロダクト系まで幅広く対応

DMM StarterにはDMMを含む8社が参加。もともと海外クラウドファンディングの申請支援を行っていたAWESOME JAPANのほか、ベンチャーキャピタルやメーカーなど、連携企業には多様な業種の企業が顔を揃える。

連携企業の機能を活用し、DMM Starterでは海外クラウドファンディングプロジェクトの申請代行、ページ更新の代行、過去の事例にもとづく資金調達計画の作成支援、翻訳・通訳などのサービスを提供する。DMMの主な収益源は資金調達に挑戦する企業からのコンサルティング料金だ。DMMは徐々に取り扱い企業を増やし、1年後には1カ月あたり20社レベルまで事業を拡大する目標を掲げている。

DMM Starterではキックスターターとインディーゴーゴーに絞って案件を申請していく予定だが、クラウドファンディング市場の盛り上がりをみつつ、他サイトへの登録についても柔軟に検討していく。案件の種類についてはプロダクト系に限らず幅広く対応する方針。DMM創業者で同社会長の亀山敬司氏は、「(プロダクト系でもアート系でも)何でも持ってきて」とDMM Starterの活用を呼びかけた。

海外クラウドファンディングへの参入障壁に解決策を提示するDMM Starter

多様な企業が参加するDMM Starterだが、連携企業のなかに、日本国内でクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」を運営するサイバーエージェント・クラウドファンディングが名を連ねているのは一見すると不思議だ。優良案件が海外のクラウドファンディング市場に流れてしまう可能性がある以上、DMM StarterはMakuakeにとって競合相手ともなりうる存在だからだ。両社が新サービスで組んだ狙いはどのあたりにあるのだろうか。