もう1つ、新しいMacBook Proに関連する話として、ディスプレイがある。Appleは、Thunderbolt Displayという27インチの外部ディスプレイをラインアップしてきたが、その在庫は急速に減っていると伝えられている。

このディスプレイは、AppleがApple WatchからiMacに至るまで採用を進めてきた高精細のRetinaディスプレイでもなければ、iMacや9.7インチiPad Proで採用されている、高色域の明るい「Pro Display」でもない。つまり、そろそろアップデートしなければならない製品なのだ。

そんなタイミングで、9to5macは、グラフィックスプロセッサを搭載した新たな5K外部ディスプレイが投入される可能性があると報じた。おそらくUSB-Cケーブル1本で結べば、本体のグラフィックス性能を上回るパフォーマンスが得られる、という仕組みを実現すると考えられる。

新型MacBook Proの薄型化・省電力化・コストダウンと、より高いグラフィックス性能へのニーズを両立することができるアイディアだ。

MacBook Pro 13インチとDell P2415Q 4K display。MacBookでは4K出力をサポートしている

実際、MacBookですら4K出力をサポートしており、内蔵グラフィックスの性能が悪いわけではない。おそらく多くのユーザーは、現行のMacBook Pro 13インチモデルで採用されている、Intelの内蔵グラフィックスで十分なはずだ。

ディスプレイへのグラフィックスチップの搭載は、拡張できないノートパソコンでありながら、より幅広い選択肢を提供することができるようになるだろう。

iPad時代のMacの位置付け

筆者はその作業の多くを9.7インチiPad Proでこなすようになってすでに2カ月が経過した。今のところ、困ったことは特にない。

ビデオ編集やPodcast編集などのストレスは大幅に軽減された。その原因は主に、筆者がこれまで使ってきたMacが2012年4月に購入した15インチのRetinaディスプレイを搭載するMacBook Proだったことが原因だ。うなるファンとクリエイティブな作業は、やはり相性が悪いのだ。

iPad主体の生活はすでにその良し悪しを判断する段階を経て、日常になりつつある。その一方で、長らく使ってきたMacを完全に捨てるつもりもない。むしろ、どんな新しいMacが登場するのか、心待ちにしているほどだ。

もし次のMacを購入することになれば、条件はいくつかすでに決まっている。すでに9.7インチのiPadを持ち歩いて仕事をしているため、それよりも十分にディスプレイサイズの大きなマシンであることがまず一つ。

また、東京から米国に引っ越してきて、出張も多いため、持ち歩けるマシンである必要がある。確かにiMacの広くて美しいディスプレイは魅力的だが、「作業環境を持ち歩ける」という絶対条件から、ノートブック型のMacであることが必須となる。

そうなると、結果的には15インチのMacBook Pro以外に選択肢は無くなる格好だ。そのMacBook Proが今回のWWDCで出てくるか? 筆者にとってはここは注目したい大きなポイントなのだ。