MVNOの魅力を増すための施策

たとえば、MVNOが販売するスマホのラインナップについて。既存のMVNOにとっては、見込客や契約者数から、人気機種の取扱いが難しいのが現状だ。某メーカーとの交渉では「10万台さばけるかが条件」(某MVNO幹部)ともされている。

iPhoneについては、数百万台の販売が条件ともされ、見込客や契約者が増えても難しいだろうが、それ以外の人気機種の取扱いは可能かもしれない。それが実現すれば、人気機種を呼び水にさらなる契約者増につなげる施策も打ち出せるようになる。

LINEモバイルは諸刃の剣

既存のMVNOがLINEモバイルに期待するのは、MVNOの認知度の向上だ。まずは大手携帯電話会社のユーザーをMVNOのサービスに目を向けさせる。格安通信の利用が今以上に当たり前になったところで、取扱端末の増加などでさらなる魅力を出し、さらなる飛躍を図る。そんなシナリオが見えてくる。現時点でも、激しい価格競争は行われているが、市場の拡大余地がなくなるまでの基本スタンスは"一致団結"となるのだろう。勝負はそこから、というのがMVNOの偽らざる本音のようだ。

ただし、先々のことを考えると、LINEの存在は他のMVNOにとって、諸刃の剣となる恐れも否定はできない。市場拡大の過程で、どのMVNO事業者が主導権を握るのかが焦点になっていくだろう。MVNOは今夏にもスタート予定のLINEモバイルに期待を寄せながら、先々に向けた競争にも備えていく必要もありそうだ。