KPX-S300は予熱に25分ほど掛かるため、北山さんは我々が到着する前より予熱をスタートしてくれていた。さらに手作りのピッツァ生地やチーズなどの材料まで用意は完璧。それを早速、木製のパーラーに乗せて、窯の中に入れていく。まさに街のピッツェリアの石窯ピッツァを作る工程と同じだ。

KPX-S300の設定温度は最大320℃。北山さんによると、これ以上の温度にもできるがピッツァが焦げてしまうとのこと。あくまで美味しさとのバランスがこの温度なのだ。

早速、ピッツァを焼いてもらう。このために朝から生地を用意してくれた。まずはモッツァレラとバジルのシンプルな1枚

付属の木製パーラーを使ってピッツァを庫内に。入れてほんのちょっと経っただけで、チーズが溶けて踊り出した

石窯ピッツェリアに負けない完成度

そうこうしているうちに、1枚目のピッツァが焼きあがった。ドアを開けると、チーズの焼ける香ばしいニオイが漂ってくる。窯に木製パーラーを差し込み、ピッツァを取り出すと、表面のチーズはぶくぶくと勢いよく踊っていた。この時点で美味しくないはずがない。

ピッツァをお皿に移して、ピザカッターでカット。早速いただいて驚いた。筆者はピッツァがかなり好きで、石窯のある都内のピッツェリアによく足を運んでいる。そういったピッツァと比べても全く遜色がないのだ。もちろん、材料の違いもあるため完全に一緒ではないが、焼きの部分ではかなり近いと言える。

KPX-S300では約2分のインターバルで次のピッツァが焼ける。ピッツァの加熱時間は約2分半なので、ワンセット4分半程度。出し入れの時間を加味しても、1時間に10枚以上のピッツァが焼ける計算だ。業務用として十分に活躍できる実力を持っている。

2分半ほど焼いて、取り出したところ。フチまでこんがり焼けているのがわかる。本物の石窯のように途中でピッツァを回したり、火加減を調整する必要はない

裏面が適度に焦げているのが、まさに高温で焼いた証拠。本格派の石窯ピッツァと同じ状態だ