次期Android Nはまさかの名無し!

次期Android OSについては、予想通り次期OS「N」(コードネーム)の紹介が中心。今やAndroidはスマートウォッチからタブレット、カーナビ、そしてスマートホームまで幅広くカバーするOSである。Chrome OSとの統合も噂されていたが、特に発表は行われなかった。

AndroidはOSの名前にお菓子の名前をアルファベット順に使っているのは有名なところで、今回も「N」になるのはなんだろうかと注目されていたのだが、今回Googleは自社で名前を決めることを放棄して、ネットでの公募制にした。採用されてもなんの見返りもないとのことだが、一部ではすでに「ナボナだ」「いや、ねるねるねるねだ」と盛り上がっている様子(ちなみに筆者は昨年「ナタデココ」と「南部せんべい」を推している)。

Android Nのコードネームは公募制。一体どうなるやら

新機能としては「パフォーマンス(性能)」「セキュリティ」「プロダクティビティ(生産性)」の3本柱を挙げ、パフォーマンスでは3DグラフィックAPI「VULCAN」や、最大75%も高速化したJITコンパイラの搭載を、「セキュリティ」ではファイルシステムの暗号化やメディアフレームワークの堅牢化、システムのシームレスアップデート、Google Play Storeで配信されるアプリの事前チェックなどが、「プロダクティビティ」では(iPadのような)マルチウィンドウやマルチタスクの強化、通知機能の改良(通知画面から直接返信可能に)、絵文字の強化(女性の職業絵文字が追加)などが例示された。Android Nはすでにベータ版が提供されており、Google i/Oの発表後ベータ3が公開されている。

現行のMarshmallowでもiOS化が進んだと強く感じたが、NでもiOSとの差異がさらに縮まっている感がある。モバイルの2大OSが切磋琢磨して互いの利点を取り込んで強化されていくのはユーザーにとってメリットなので、今後とも進化の手を緩めずに発展してほしい。

本格的VRヘッドセット「Daydream」

スマートフォンを装着して利用するVRヘッドセットのうち、Cardboardがダンボールを使った簡易ヘッドセットなのに対し、Gear VRのような本格派のヘッドセットになるのが「Daydream」だ。スマートフォンを装着するヘッドセット部分と、リモコンで構成される。Cardboardが設計だけを公開して自由に製造できたように、Daydreamでも基本設計は決まっているが、デザインは製造するメーカーが自由に設定できる。

表示はAndroidスマートフォンに依存するが、Android Nでは「VRモード」が搭載され、画面表示などがDaydreamに最適化されるという。発表会では対応予定のメーカーとしてSamsungやファーウェイ、ASUSなどの名前が挙がっていたが、残念ながら日本のメーカーは見当たらなかった。とはいえ、DaydreamおよびVRモードが利用できるのは一定のスペックを満たした端末のみで、日本製端末でもハイエンドの端末であれば余裕を持って利用できるだろう。対応アプリやコンテンツはDaydreamモード内のVR専用Play Storeで購入できるようだ。

VRモードのイメージ

スマートフォンおよび周辺機器メーカーからの製品が登場するのはもちろん、Google自身もNEXUSブランドで製品を投入する可能性があり、一気にVR環境が整うことが期待される。筆者も登場したら真っ先に購入したい。