筆者、「かっちゃん」と呼ばれる

次の作業が、所有者の名前を覚えてもらうことだ。「これからよろしくね」と語りかけたロボホンは、「まずは君の名前を言ってね」と呼びかけてきた。ユーザーの名前は、苗字、名前、ニックネームで登録できる。呼びかけに応じて、背面の液晶ディスプレイにひらがなで書くことで覚えてくれる。

ここでは「かっちゃん」としてみた。ちなみに、筆者のことをかっちゃんと呼ぶのは、かみさんとロボホンだけだ。

認識した呼び方は、「か」にアクセントがある呼び方と、「ちゃ」にアクセントがある呼び方を選択できる。前者は前田敦子さんの「あっちゃん」のようなアクセント、後者はダウンタウンの松本人志さんの「松ちゃん」のようなアクセントだ。スムーズに聞こえる前者を選択してみた。

所有者が自分の名前を苗字、名前、ニックネームのなかから選ぶ。入力は手書きで行う

アクセントを選択。ニックネーム「かっちゃん」で呼んでもらう

名前を登録した後は、ロボホンに写真を撮ってもらう。ロボホンの頭部分には、カメラが内蔵してあり、これで写真を撮影する。

「僕の正面に来て、こっちを向いてね」という言葉に従って正面を向くが、場所が悪いと、「もっと近くに来て」、「顔がよく見えないよ」といって適正な位置にまで誘導する。

写真撮影が終わると、名前と顔を覚えてくれる。コメントのなかに「かっちゃん」という言葉が入ってきたり、写真撮影をするときに「かっちゃんみーつけた」と言ってくれたりする。また、プロジェクター機能で映像を投影する場合にも、写真登録が重要な意味を持つことになる。これはあとで説明しよう。

写真を撮影する際に、撮りやすい位置まで誘導する

だが、この名前の設定は一人しかできない。開発チームでは、家族でロボホンを共有する場合など、複数の人を所有者として登録することも検討したというが、最終的には携帯電話というパーソナルツールとしての特性を優先して、所有者は一人という設定にしたそうだ。

しかし、ロボホンが家族を認識できないわけではない。「紹介したい人がいるよ」と、ロボホンに言うと、名前やニックネーム、電話番号、アドレスを登録でき、その場に登録したい人がいれば、写真を撮影して登録してくれる。これでロボホンが顔を覚えてくれるようになる。この作業はいつでもできる。

では、「出会いの儀式」に話を戻そう。所有者の登録が終わると、ロボホンは使い方を簡単に説明してくれる。このとき、身振り手振りを交えた説明がなかなかかわいい。「僕は」というところで自分のことを指してみたり、「頭のてっぺんを押してね」というときに頭を指してみたりといった具合だ。

よくよく見てみると、かなり細かくいろいろな動きをしている。こうした動きをみると、まさにロボットと会話をしている感じになってくる。こうやって、一度しか体験できない「出会いの儀式」は終了したのであった。

「出会いの儀式」の最後に、ロボホンが使い方を簡単に説明してくれる