Google I/OでもAIや自動応答の仕組みはホットな話題になるかも

直近ではMicrosoftが「BUILD 2016」で、Facebookが「F8」でそれぞれ「自動応答型のボットフレームワーク」を発表したことが話題になった。日本でもLINEが同様の仕組みをすでにアピールしているほか、IBMは「Watson」を使った応答型サービスの開発に数年前から着手している。このように今年に入ってからIT各社より「機械学習(Machine Learning)」や自然言語解析を使った自動応答システム(もしくは「AI」)を発表するケースが増えているが、おそらくこの分野では比較的早い段階から研究開発や投資を行っているGoogleも、何らかのアナウンスを行うことは想像に難くない。

IBMの「Watson」

現在公開されているGoogle I/Oのセッションを見る限り、機械学習(Machine Learning)に関するセッションは複数見受けられるものの、VRとは異なり直接的にGoogleのこうした取り組みを示唆するものはみられない。ただ、Google I/Oの基調講演等で進捗状況が発表され、これに関する追加アナウンスや技術情報が改めて提供される可能性はある。こうした仕組みのキモはクラウド側の実装にあるため、インタフェースや適切なサービスをプラットフォーム事業者側で用意することは重要だからだ。

MicrosoftはSkypeまたはCortana、FacebookはMessenger、LINEはLINEのインタフェースといった具合に、各々が持つメッセージング系サービスへの機能実装を前提にフレームワークの提供が開始されている。Googleもまた、Hangoutsなど中途半端な状況でストップしているこれら仕組みを再整備する必要があるとみられ、そのあたりも含めた戦略の発表に期待が寄せられる。

直近の試みとしては、同社の自然言語解析ソフトウェアである「SyntaxNet」のオープンソース化が5月12日(米国時間)に発表されている。このSyntaxNetは、すでにオープンソースとして公開されている機械学習ソフトウェア「TensorFlow」のライブラリの一部であり、Parsey McParsefaceと呼ばれる学習済みの英語向けパーサーを組み合わせることで、品詞解析を含む単語間の相関関係を94%の正確さで見分けることができるという。Google I/Oの直前にして発表されたものだが、おそらくホットなトピックとして前述の機械学習関連のセッションで最新情報が語られることになるかもしれない。

SyntaxNetによる構文解析の例

一方で興味深い話題としては、Amazon.comが提供を開始して話題になっているスピーカー型の家電制御装置「Echo」の対抗となるプロジェクトを、Googleが「Chirp」の名称で進めているという噂が出ている(Appleがかつて行っていた互換機プロジェクト「CHRP」とは関係ない)。エコシステムの家庭への浸透を図るAmazon.comに対し、Googleがどのような意図を持ち、このプロジェクトにメリットを見出して推進しているかは不明だが、前述の「AI」関連の話題と合わせてチェックしてみてほしい。

Amazon Echo