個人で楽しむには適度なサイズの画面をそのまま持ち運ぶ感覚で、当初から10時間のバッテリー持続時間を確保していたこともあり、エンターテインメント用途だけでなく、重たい紙のマニュアルや大量の書類を持ち歩いていたビジネスの現場や、やはり重たい教科書を持ち運んでいた教育現場でも活躍してきました。
筆者が2010年当時、iPadをいち早く導入した中古車販売のガリバーを取材した際、単体でインターネットにアクセスできるWi-Fi + Cellularモデルの存在と、パソコンとは異なり対面でのコミュニケーションを妨げずにコンピュータを利用できる接客上のメリットを挙げていました。
また、2014年に訪れたオーストラリアの高校、Kolbe Collegeでは、生徒全員がiPadを持ち、教室での座学にとらわれず、キャンパス内の様々な場所でグループワークに取り組んだり、課題や読書を行う姿が印象的でした。特に、iPadから利用できる電子貸本サービスは、生徒たちの読書量を向上させることに役立っているということです。
また、たとえ2歳児であっても、iPadを一緒に見ながらビデオを見たり、パズルで遊んだりしているうちに、いつの間にか一人で使えるようになってしまうという場面を目の当たりにしたこともあり、とても驚かされました。自分でホーム画面からYouTubeのアプリを発見して、開いた画面から自分の好きな動画をみつけ、再生をして楽しむことができるようになるだけでなく、表示される広告を飛ばすボタンまで探し出していて、すかさず押すようになった様子を見ると、コンピュータがもはや難しいものではないことを思い知らされるのでした。