Appleは2007年に、複数の指で操作できるマルチタッチを搭載し、すべての操作をタッチパネルから行うスマートフォン、iPhoneをリリースして成功を収めていました。

Appleは、主力だったMacの蘇生をiMacで実現しながら、より多くの人々が利用するポータブル・モバイルデバイス市場を開拓する道を模索してきたのです。その結果が、Windowsユーザーをも巻き込んで一大ブームと巻き起こした音楽プレイヤーiPodと、その流れをくんで電話の再発明を実現したiPhoneでした。

iPhone以前とiPhone以降で、スマートフォンのデザインが全く変わってしまい、この点はAppleがSamsungを相手に起こした知的財産権にまつわる訴訟でも争点になっていました。明らかにモバイルの世界に大きな影響を与えた製品だった、と言うことができます。

2010年に発売された初代iPad

そのAppleが2010年1月に発表、4月に発売したのが、iPadでした。心地よいマルチタッチディスプレイのサイズを、当時のiPhoneのサイズであった3.5インチから9.7インチに拡大して登場させたのです。初代iPadは、米国で販売が始まった4月10日からの3日間で30万台を売り上げ、その後1日3万台ずつ売れていき、当初、米国外の各国で予定されていた4月末の発売が延期されたほどでした。

iPadは、当時小さかったiPhoneと同じ操作性で、より大きな画面でのウェブ、ビデオや書籍、雑誌などを楽しむことができ、モバイルデバイスとしては相対的に優れた処理性能で、ゲームデバイスとしても注目される存在となりました。現在は7.9インチのiPad mini、12.9インチのiPad Proを加えた3つの画面サイズで展開されています。