最後になったが、カメラ機能を見ていこう。背面のiSightカメラは12メガピクセルで、4K動画(3840×2160)撮影をサポートする。また、Live Photosおよび1080p(120fps)、720p(240fps)のスローモーションビデオ、手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオに対応している。さらにiPadでは初めて、True Toneフラッシュを搭載した。FaceTime HDカメラは5メガピクセルで、暗い場所でディスプレイをフラッシュとして利用できるRetina Flashに対応。はて、どこかで見たことがある仕様である。そう、iPhone 6sとほぼ同等なのだ。
12.9インチiPad Proのカメラは8メガピクセルで4K非対応、Live Photosも非対応でスローモーションも720p(120fps)まで。もちろんTrue Toneフラッシュもなし。FaceTime HDカメラは1.2メガピクセルで、Retina Flashはなし。大体、iPhone 6と同じくらいの機能である。これまでのiPadはiPhoneで採用されたカメラの一世代前のものが搭載されるというパターンを踏んできたが、9.7インチiPad Proでは最新のiPhoneに追いついてしまった格好となっている。
ここまでで既にお気づきだと思うが、9.7インチiPad Proは単に12.9インチiPad Proをダウンサイジングしたデバイスではない。実際、冒頭で紹介したTrue Toneディスプレイなど、12.9インチiPad Proでは採用されていない機能を数多く搭載している。むしろ、iPad Air 2をブラッシュアップしまくって、最強マシンに仕立て上げたといったほうが感触としては近いのだ。