公式アカウント重視で目指すLINEのポータル化
それを証明するかのように、3月24日に実施された事業戦略発表イベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」において、LINEの出澤剛CEOは今後「スマートポータル」を目指すと話している。スマートフォンではコミュニケーションが起点となり、コミュニケーションを起点としたサービス設計が求められることから、そのコミュニケーションで(日本などでは)ほぼ独占的な地位を占めたLINEが、検索・Webが主体の従来型ポータルとは異なる形で新しいポータルを実現し、スマートフォン上におけるユーザーの行動すべてを取り込みたい狙いがあるようだ。
実際、同イベントでは、Webサービス事業者向けに、LINEのアカウントとWebサービスを連携する「Official Web App」を提供すると発表した。LINEと公式アカウントを活用してWebサービスをLINEの中に取り込もうという動きを見せている。加えて決済サービス「LINE Pay」の拡充や、自らMVNOとなりスマートフォンの通信を担う「LINE MOBILE」の提供を打ち出すなど、スマートフォンに関連するすべての要素を、LINEの中に取り込もうとしているのがわかる。
LINEのニュース事業が見せる変化は、ニュースにとどまらないLINE全体の大きな戦略変化を示している。そしてそのことが、スマートフォン上でLINEの存在を一層拡大させる、新たな施策の一端となっていることは、確かなようだ。
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