エンゲージメントの強さを生かしユーザー接点を増やす
さらに今年の3月17日にも、LINEはニュース事業に関する新しい取り組みに関する発表会を実施している。そこで発表された機能の1つが「FOR YOU」である。
これは、ユーザーがLINE関連のサービスを利用した履歴をもとに、ユーザーの属性や興味などを推測し、その人が興味のあるニュースをピックアップして表示する仕組み。LINE上の個人情報を直接取得するのではなく、LINE関連アプリやスタンプの利用動向、さらにはニュースメディアの利用動向などから、個人の興味を推測する仕組みとなっているようだ。
そのFOR YOU機能との連動がなされるのが、タイムラインの上部に、常時3件のニュースを表示する機能。当初はすべてのユーザーのタイムラインに対し、同じニュースが表示されるが、2016年上半期中にはFOR YOU機能との連動によるパーソナライズもなされるとのことだ。
そしてもう1つ、記事を提供するメディアのアカウントを友達登録することで、はじめて記事全文が読めるようになる「友達限定記事」も提供するという。こちらもFOR YOU機能と連携することにより、記事から各メディアのアカウント登録へと誘導しやすくする仕組みとなっている。
こうした新しい施策の狙いとして、LINEの上級執行役員である島村武志氏は「エンゲージメント」、つまり結び付きの深さや親密さをキーワードとして挙げている。島村氏によると、同社のアンケート結果から、LINEのニュース機能は、TwitterやFacebookなど他のSNSと比べ再訪数が高い、つまり一度メディアに接触した人が、再び同じメディアにアクセスする率が高いという結果が見えたとのこと。それだけLINE上のニュースメディアは、ユーザーとのつながりが一時的ではなく、継続性が強いと捉えられているようだ。
そこでFOR YOU機能の追加などでユーザーとニュースとの接点を増やし、マッチング強化することによって、メディアとユーザーの親密な関係を作り上げるのが、LINE側の大きな狙いとなっているようだ。