旅行の際、現地通貨の両替なしで快適に過ごして帰ってこられるかどうか。旅行先の快適さや安心感を作り出す上で、Apple Payをはじめとするスマートフォン決済サービスは注目を集めるだろう。日本のように現金での支払いが中心の国であったり、カード決済が普及していない地域は、こうしたコンタクトレス決済が新たな市場を開拓する可能性もある。

ちなみに筆者の住む米国の街で、日本の紙幣は人気がある。スーパーや雑貨店などで、財布からちらりと日本円の札が見えると、驚かれることが多い。非常に美しい、というのだ。すでに都市で生活する人々の決済の一部は、この美しい紙幣からICカードに移行しつつあるが。

ただSuicaやnanacoなどのICカードを使った電子マネーも、海外のユーザーからすれば、紙幣同様、ローカルなものであり、日本に降り立ったときに入手しなければならないものには変わりないのだ。これが普段使っているスマートフォンで済むなら、それは便利に決まっている。

ただ、旅は非日常を楽しむわけだから、普段と違う紙幣をなんとか手に入れて、伝わるかどうか分からない言葉で買い物をする、という点もまた醍醐味かもしれない。その点で、普段と違う不便さを経験する、という旅の楽しみが損なわれてしまうのかもしれない。

一方で、移動が自由になる世界において、旅が非日常から「準・日常」へと変化しているならば、やはり決済の不便さは取り払われるべき、とも考えられる。皆さんはどうとらえるだろうか。