筆者の場合、やはり4インチをメインのスマートフォンとして活用するアイディアは、再びiPad mini系のタブレットを手にする機会の多さを考えると、なかなかイメージしにくい。とはいえ、4インチを好むユーザーは、本連載でもご紹介した通り、米国でも20%ほどが存在している。日本においても、4インチサイズで最新の機能を備えるiPhoneを求めるユーザーは米国と同程度かそれ以上の割合で存在しているのではないか、と予測できる。
iPhone SEの位置づけを改めて予測してみると、4インチのiPhoneを使用している先進国のユーザーの買い換えを促進させるという目的が考えられる。
iPhone 5sは2013年に発売されたモデルであり、もしも2年間の契約を前提に購入していたなら、2015年9月から順次買い換えのタイミングに入る。しかし現状では、4インチのiPhoneを選ぼうとすると、割引こそされているがiPhone 5sしか選択肢がない状態だ。
iPhone SEは、最新のiPhoneが欲しいが画面サイズが大きくなるのはいやだ、というユーザーを、まずターゲットにすることができる。画面サイズやデザインはそのままだが、中身をiPhone 6sと同様の性能が得られれば、「最新機種」として満足度を高めることができるだろう。
加えて、Apple Payや最新のiSightカメラ、二世代進んだA9プロセッサなどが搭載されるなら、iPhoneの最新機能を体験するには十分だろう。特にApple Payは、対応端末を増やして普及を促進させたいビジネスでもあり、4インチユーザーも利用できるようになるとなればメリットは高いはずだ。
おそらくiPhone 6sよりも50~100ドル安い、99ドルからという価格で展開されることになると予想される。最新モデルの機能を、画面サイズを犠牲にしてより安く利用できるオプションは、先進国、新興市場において、有効に作用するのではないだろうか。