ジョエルの後ろにあるのが、"接近度MAX"を実現する透明ポッド

――今回の来日は、アニマルプラネットで放送される新番組『プレデター・ゲーム』(3月7日から5夜連続23:00~、再放送あり)の宣伝を兼ねていると聞きました。またまた危険な撮影だったそうで……。

『ザ・マンハント』が人気シリーズになったので、制作サイドには「別の番組を作りたい」という意向があったようです。いろいろなオファーがあった中で、『プレデター・ゲーム』は最も危険でエキサイティング、そして何よりも人の手で作られたものではない"リアリティ"がそこにはありました。ライオン、ホッキョクグマ、ホオジロザメ、ブチハイエナといった「捕食動物との接近度MAX」がコンセプトです。特殊加工を施した透明ポッドの中から、野生動物を間近で観察しました。

――番組を通してどのような発見がありましたか。

元軍人の目から見ると、捕獲型の動物は、われわれ軍人が訓練、最先端技術によって身に付けることが本能的に備わっていることがよく分かりました。夜行性の動物が暗闇でも視力を保つように、人間はナイトビジョンが可能なカメラを使い、鋭利なキバと同じようにナイフを手にする。技術的に開発していくことと動物が本来持っている能力はそうやってつながっていることが再確認できて、軍人を経験した私でも「なるほど」と思う瞬間がいくつもあった番組でした。

――水中の檻(おり)から撮影して、サメが襲いかかってきた時は本当にハラハラしました。あれ、油断すると腕を食いちぎられますよね? 番組への熱い思いがあったとしても、いざ危険な目にあうと「出なきゃよかった…」と後悔することはなかったんですか?

あれは……本当にヤバかったです(笑)。生きるか死ぬか2つに1つ。1歩間違えれば、私はここにいなかったでしょうね。きっとその時は激しく後悔したかもしれません(笑)。

隙間だらけの檻からなぜか手を出そうとするジョエル

――次回があるとしたら、新たに接近したい動物は?

ワニです。大嫌いなんです! だって、トカゲが巨大化したような生き物ですよ? 人も食べてしまう獰猛(どうもう)さ。「動物の中で一番嫌いなのは?」と聞かれたら、迷わずワニと答えます。ライオンやサメは、「食べ物」として人を襲っているわけではありません。しかし、ワニは違います。人間を「エサ」だと思って襲いかかってくるんです。

それから、噛まれて助かったとしても、ものすごい数のバクテリアが口の中にいるので、それによって結構な確率で病気に感染して死ぬ。ちなみに、殺されても地獄。川の中に引きずり込んでもすぐに食べないで、泥の中に埋めて少し腐らせてから食べるんです。最悪ですよね? でも最悪だからこそ、次の機会があれば挑戦したいです。

――そこまで言われたら観たくなります(笑)。

「ジャングルなんて大嫌い!」と周囲に言い続けていたら、『ザ・マンハント』でジャングルに連れて行かれてしまいました(笑)。だから、「ワニが嫌い」と言い続けていれば、いつかそういう機会が来ると信じています。