前編では、Apple Musicの1つの機能であるiCloudミュージックライブラリの重要性についてご紹介した。筆者がこの機能の恩恵を生かして、手元のMacのiTunesライブラリを消去し、100GBあまりの空き容量を作り出すことに成功した点にも触れた。

完全にストリーミング主体で楽しむようになった音楽ライフは、前編の言葉を使えば『モバイル化された音楽体験』だ。しかしこうなってくると、別な問題にも直面するのだ。

ストリーミングでの音楽の楽しみの問題点

音楽のモバイル化は、ストリーミングサービスの普及によって実現された。手元のデバイスの保存容量や、保存しているかどうかといった制限が取り払われ、配信楽曲であればいつでもどこでも自由に音楽を楽しむことができるようになった。

各サービスでは、Wi-Fi接続かセルラー接続かによって、音質を変えており、Apple Musicの場合、最大でも256kbpsだ。つまり、AACをサポートするBluetoothヘッドフォンであれば、最高音質で聴ける。

外出中のBluetoothヘッドフォンの快適さは非常に高い。ケーブルがないため、とにかくiPhoneがどこに入っていようが問題ないのだ。スマートウォッチを装着して、iPhone本体はカバンの中へ、というパターンも少なくない昨今では、便利な機能である。

ただ、外出先での問題点は、データ通信量だ。日本と同様に、米国でも無制限のデータプランが皆無に等しい現状では、データ通信でストリーミング音楽を楽しむのはかなり無謀な挑戦だ。せっかく10ドル足らずの月額料金で新譜を何枚でも聴くことができるのに、データ通信量のほうがより高くついてしまうことも有り得る。

たびたび紹介している筆者が愛用中の米国キャリアT-Mobileのように、日本のキャリアも、音楽ストリーミング利用部分のデータ通信量を無料化するなどのサービスがないと、前述の音楽のモバイル化の理想は完成しないのだ。