OC仕様でリファレンスよりもパフォーマンスがアップ

NITROは前述したとおり、オーバークロック仕様の製品だが、実際のパフォーマンスを確認したい。まずは3DMark Fire Strikeを試してみた。テスト環境は以下の通り。

CPU Intel Core i7-6700K(4.0GHz/4コア)
M/B MSI H170 GAMING M3(Intel H170)
メモリ DDR4 8GB×2(Crucial Ballixtix BLS8G4D240FSA)※2133で動作
グラフィックス NITRO Radeon R9 Fury 4G HBM OC(UEFI)
ストレージ 480GB SATA SSD(Crucial BX200 CT480BX200SSD1)
電源ユニット 1000W、80PLUS Platinum(Seasonic SS-1000XP)
OS Windows 10 Pro 64bit

Fire StrikeのPerformanceスコアが13142。Extremeスコアが6895、Ultraスコアが3732。Performanceでは、GeForce GTX 980を超えるスコアであり、フルHD~WQHDあたりであれば、かなり快適なゲーミングパフォーマンスが得られるだろう。

製品の定格だけでなく、リファレンスクロック時とも比較をしておこう。リファレンスのGPUクロックである1000MHzへは、先にも紹介した「SAPPHIRE TriXX Utility」で設定している。スコアはFire StrikeのPerformanceが12617、Extremeが6625、Ultraが3590という結果だった。どれも定格のパフォーマンスには及ばない。とくにPerformanceのスコアには525ポイントの比較的大きな差がついた。当然、ゲームプレイ時のフレームレートでもこの差が現れることになる。

3DMarkグラフ

つづいてはゲームタイトルのベンチマークテストによる結果を見てみたい。「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を試してみる。DirectX 11、プリセットは「最高品質」で解像度を変えて負荷を調整した。

結果は、1,920×1,080ドットで12016、2,560×1,440ドットで8397、3,840×2,160ドットで4412となった。前2つは「非常に快適」という判定、4Kについては「快適」判定。平均フレームレートは、2,560×1,440ドット時で64.986fps、3,840×2,160ドット時で34.119fpsとなった。

3,840×2,160ドットでは、時折30fpsを割り込むものの、映像のスムーズさはまずまずで、プレイ自体は十分に可能だ。リファレンスクロックとの差は、せいぜい1~3fps程度上乗せする程度でそこまで旨味はないが、パフォーマンスの高いFuryをメインGPUにすえることは、より高い解像度でより快適にプレイするための投資になると言えるだろう。2,560×1,440ドットでは、平均60fpsを満たせるので、WQHD液晶との相性はバッチリだ。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークグラフscore

蒼天のイシュガルド ベンチマークグラフfps

Star Wars バトルフロントは、最高画質/1,920×1,080ドットで計測した。Frapsによる手動計測で、バラつきを抑制するため、シーンはミッションのトレーニング、ある程度敵が登場するダークサイドのシングルプレイでテストした。

5回計測したうえでの平均は130.177fps。これをリファレンスクロックで計測したところ123.905fpsだったので、6fps強の向上が認められた。なお、フレームレート自体は十分に高いので、より高い解像度を狙ってみるのもよいだろう。

Star Wars バトルフロントグラフ

Fallout 4は、画質プリセットをUltra、解像度は1,920×1,080ドット、iniファイルを設定しV-SYNCをオフの状態でFrapsから5回計測して平均を出している。フレームレートは105.874fpsで、快適にプレイできる。リファレンスクロックでは101.036fpsで、Star Wars バトルフロントよりは向上率が低いものの、数値的には十分な向上が見られた。

Fallout 4グラフ

Grand Theft Auto Vは、1,920×1,080ドット、Radeon特有の機能を使いつつアンチエイリアスや異方向性フィルタを最大に、そのほかを「高」に合わせた画質設定で平均54.160fps。これをリファレンスクロックで計測した場合で52.452fpsとなった。

これまでのタイトルに比べるとオーバークロックの効果が薄く感じられるが、これは本タイトルの負荷が高いためだ。なお、Grand Theft Auto Vのビルトインベンチマークでは、最小fpsがアテにならないので、おそらくは「高」設定で常時30fps超でプレイしたい場合、ベンチマークで55fps前後が必要だろう。設定を「最高」や「ウルトラ」とした場合は37.558fpsで、シーンによっては30fpsを割り込んだ。

Fallout 4グラフ

先日リリースされたPC版「Rise Of The Tomb Raider」。2013年の「Tomb Raider」では"AMD TressFX"をいち早く導入し、リアルな毛髪表現を実現したが、今回も"Pure Hair"と呼ぶ機能で美麗な毛髪表現を提供する。

画質設定では、プリセットが利用できるが、プリセットで設定できる「最高」は実際の最高画質ではなく、さらにいくつかより高い設定が可能な項目がある。とはいえ計測はプリセットの「最高」を用い、1,980×1,080ドットでテストしてみた。

平均フレームレートは定格が52.113fps、リファレンスクロックが49.830fps。ブレ幅はそこそこあり、5回計測して平均を算出することで2fps程度の差を確認できた。最小fpsは37対36。最高画質でも30fpsを超えているため、スムーズな映像が得られていた。

Rise Of The Tomb Raider