アートの領域に達したThinkPadのデザイン
Lenovo 副社長 兼 PC事業本部/エンタープライズビジネス事業本部 CDO(Chief Design Officer) デビッド・ヒル氏 |
説明会には長年ThinkPadのデザインに携わるLenovo 副社長 兼 PC事業本部/エンタープライズビジネス事業本部 CDO(Chief Design Officer) デビッド・ヒル氏も参加。ThinkPadのデザインにこめられた哲学を語った。
ヒル氏は、ThinkPadのデザインコンセプトを作ったリヒャルト・ザッパー(Richard Sapper)氏の「Time is one of the few things that may ultimately establish the true quality of an object(時間は物の真の価値を証明できる数少ないものの1つ)」という言葉を紹介。
ThinkPadは、松花堂弁当の箱にインスパイアを受け、デザインされたことはよく知られた話だ。黒く四角い箱に赤いトラックポイントは、誕生から24年たったいまでもThinkPadのシンボルとなっている。時代の変化によりディスプレイの大型化や本体自体の薄型化、くさび型デザインの導入などもあったが、本質に変化はない。
続いて、IBMのロゴデザインなどで知られるポール・ランド(Paul Rand)氏の「Art is an idea that has found its perfect form(アートは完璧なフォルムを見つけたアイデア)」という言葉に触れ、「フォルムはプロダクトに形を与え、見るものを刺激するが、フォルムはデザインの一面でしかない、ファンクションもまたデザインの重要な一面だ。ファンクションによって合理的で無駄のないデザインとなる。フォルムとデザインという一見相反する要素が組み合わさることで、強力な感動がうまれる」と説明する。
そしてヒル氏は「X1ファミリのデザインはアートの領域にある」とし、「X1ファミリのデザインには、時代を超越することや洗練されていること、実用的であること、ユニークであること、エレガントであること、完璧を追求するといったアートの要素をすべて備えている」とその理由を述べる。
また、「ThinkPadの完璧を目指す旅は永遠に終わることがない。われわれのゴールはいままでのThinkPadのデザインを超えることだ。単に変わるというだけではなく、よりよいものを目指さなければならない。それが伝統であり、文化だ」とした。