ここ最近になり、筆者が関係者から聞いた噂で1つだけ気になったものがある。それは「来年2017年に投入されるiPhoneは"ナンバーモデル"」という話だ。iPhoneは2年サイクルでデザインが大幅に変更され、最初の年には"ナンバーモデル"と呼ばれる新デザインの製品が投入され、その翌年には機能改良版の"sモデル"が投入される。前者が「iPhone 6」、後者が「iPhone 6s」といえばわかりやすいだろう。2015年に登場したのは「iPhone 6s」だったため、順当にいけば2016年に登場するのは「iPhone 7」ということになる。すると次に来るのは「iPhone 7s」というのが従来の流れだ。だが、2017年がナンバーモデルになるということは、「iPhone 8」かそれに準じたモデルということになる。額面通りに受け取るなら数字のカウント方法が変わっただけとも考えられるが、これの意味するところは「2017年にも大幅にデザインを変更した新モデルが投入される」という可能性だ。
噂はあくまで噂に過ぎないが、Appleがより多くのユーザーを惹きつけ、さらに新製品を購入してもらうために、前述のようにラインナップを大幅に拡大したり、従来まで2年周期だった製品の大規模更新サイクルを狭めるというのであれば納得できる部分もある。一方で、こうしたバリエーションの増加や更新サイクルの短期化はこれまでiOSエコシステムを支えてきたデベロッパーや部品サプライヤー、さらにアクセサリメーカーへの影響が大きく、場合によっては疲弊や離脱を招きかねない。AppleがかつてiPhoneのライバルであるAndroidを揶揄するために使っていた「フラグメンテーション」を自ら起こす可能性もあり、iOSの従来の良さが失われかねない。急成長が一段落し、横ばいや将来的な減少も見えてきたiOSのエコシステムは、いま大きな岐路に立っているのかもしれない。