一方で、(知名度の低い)データプライバシーデーの知名度を上げようという目的も含む。実際に、Mozilla Indiaではコミュニティの発案で、プライバシーのTipsを日替わりでFacebookやTwitterで発信し、これらをみんなでシェアしよう! というイベントを行っている。
図6 Mozilla IndiaのTip of the day (https://twitter.com/mozillaIN)。イラスト付きのツイートは、撮影写真のメタデータ削除を紹介している |
以下では、Mozilla Japanの取り組みを紹介したい。
オンラインプライバシーの意識向上を目指すには、現状のレベルについて知る必要がある。そこで、Mozilla Japanでは、意識調査を行った。調査概要は、以下の通りである。
●調査名:オンラインプライバシー意識調査 ●調査期間:2016年1月14日~2016年1月17日 ●調査エリア:全国 ●調査対象:10代~60代以上の男女、計1236名(各世代で男女各103名) ●調査方法:外部機関によるインターネット調査 |
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インターネット調査であるため、基本的に日々インターネットを使用しているユーザーが対象となっている。
この調査結果の全文は、こちらのPDFを参照してほしい。本稿では、興味深い結果のみを紹介しよう。まずは、プライベートブラウジングに関する認知と利用である。
プライベートブラウジング自体を知っているユーザーは23.1%となった。さらに、その中で使った経験のあるユーザーは、68.5%となった。全体では15.9%となり、利用している割合はそれほど多いとはいえない。
次に、オンライントラッキングに対する認知と利用である。ユーザーにはオンライントラッキングに関する解説を読んでもらい、回答をしてもらった。
■オンライントラッキングに関する解説 |
ほとんどの主要な Web サイトでは、そのサイトを見ている人のネット上の行動を追跡 (トラッキング)し、その情報を他社に販売あるいは提供しています。これらの情報は、あなた向けに適した広告、製品やサービスを提供するために使用されています。こうしたことをオンライントラッキング(行動追跡)と言います |
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オンライントラッキングについても、ほぼ似たような結果となった。全体の中でオンライントラッキングを知っているユーザーは33.9%、さらにその中でトラッキング保護機能を使ったことがあるユーザーは、22.2%となった。全体でみれば7.5%となり、プライベートブラウジング以上に利用者が少なかった。
最後の2問では、オンライントラッキングやプライバシーに関し、自分でコントロールする意思があるか、回答を求めた。オンライントラッキングについては、「基本的にされたくない」、「場合によってはされたくない」が合わせると70.9%となった。また、オンラインでのプライバシーを自分でコントロールする方法に興味があると回答したユーザーの割合は74.2%となった。
これらの結果から、プライバシーやその対策については、多くのユーザーが関心があり、その対策についてもなんらかの方法をしたいと思ってはいる。しかし、その具体的な方法となると、まだまだ追い付いていないのが現状といったところではないだろうか。この調査の中で、セキュリティやプライバシーへの対策に関する質問もあったが、ウイルス対策、クレジットカード対策といった古くから知られている対策は、比較的行っているユーザーが多い。しかし、ソーシャルサービスの対策となると「わからない」というレベルが急増する。