ユニバーサルデザインであることは、非常に評価できる。ただし、新しいインターフェイスの導入や活用に際しては、その速度を遅める可能性もある。必然性がない、絶対使わなければならない、というわけではない点で、筆者もつい、3D Touchの機能の存在を忘れて、利用せずに過ごしてしまうことが少なくないからだ。
例えばタスク切り替え。頭では、ホームボタンをダブルタップするより、画面の左側を押し込んだ方がアクションが少なくて済む、と分かっている。にもかかわらず、右手で持っているから、あるいはつい今までの癖で、といくつかの理由で、3D Touchによるタスク切り替えを忘れてしまっている。
ホーム画面のアイコンを押し込んで機能にショートカットする「クイックアクセスメニュー」も同様だ。前述の通り、新しいiOS 9.3では、設定アプリにWi-Fiへのショートカットが追加されるとみられており、これは重宝しそうだ、と直感的に思う。ただし、その活用が定着するかどうか……。
「クイックアクセスメニュー」で絶対的に便利だと思う機能は、カメラアプリだ。
「カメラ」のアイコンをタップするとすぐに静止画の撮影モードが起動する。もし動画やセルフィを撮りたい場合は、もう1アクション操作してモードを切り替えなければならない。「クイックアクセスメニュー」を使うと、静止画撮影の他に、スローモーション撮影、ビデオ撮影、セルフィ撮影に直接ジャンプでき、とっさにカメラを使いたいときに、目的のモードに1テンポはやくアクセス出来るようになるはずだ。
しかし、そういうとっさの時ほど、慣れた操作以外の機能を利用して素早く行うことができないものだ。