2年縛りがなくなったら?
ユーザーから見たとき、2年縛りがなくなるメリットは、ユーザーがいつでも自由にキャリアを変更したり、解約する自由が得られることだ。家族バラバラだった契約を一つにまとめる、あるいは他社で魅力的な端末が登場したら乗り換える、といったことが、時期を問わずできることになる。現在はSIMロック解除も義務付けられているため、iPhoneのようなマルチキャリア対応の端末であれば、ロック解除後は端末はそのままで、好きなキャリアを選べる。
一方で、当然ながらデメリットもある。現在の安価な端末代は、いずれも月々サポートなどと呼ばれる24回の割賦契約に基づくものだ。前述のように顧客の囲い込みのための割引だが、これがなくなれば、現在実質0円かそれに近い格安で入手できているiPhoneなどの高級スマートフォンは、いずれも10万円近い端末料金をユーザーが負担することになる。
また、現状でも2年縛りの有無により、月々の利用料金は大きく異なる。たとえばソフトバンクでiPhone 6sを購入した場合、基本料金に「通話し放題プラン(スマートフォン)」「同ライトプラン(スマートフォン)」を選ぶと、2年契約では月々2,916円(ライトプラン:1,836円)だが、2年契約なしでは4,536円(ライトプラン:3,456円)と、1,620円の差がある(2年間では38,880円になる)。これが全てのユーザーに降りかかる可能性もあるわけだ。