完走はできたものの身体は随分とボロボロ……。とは言え、せっかくニュージーランドに来ているのだ。身体をケアしながらしっかり旅行も楽しみたい。そこで今回、クィーンズタウンで楽しめる身体のケアにぴったりなアクティビティやグルメたちを紹介しよう。

展望レストランでおいしいひとときを

ダイナミックな自然の前で一風呂

まずはダイナミックな自然を眺望しながらのお風呂へ。クィーンズタウンの中心地からクルマで約15分のところにある「オンセン・ホットプールズ」では、ダイナミックな大自然の中で、湖からくみ入れた天然水を温めて提供する貸切風呂を用意している。大きなウインドーを開けば、壮大な自然がすぐ目の前に広がる。どんな風景が楽しめるかは、「圧倒的な"絶景"貸切露天風呂はニュージーランドにある! 山からの風で深呼吸」を参照していただきたい。

「オンセン・ホットプールズ」で絶景風呂を

クィーンズタウン随一の眺望とともに

マラソンの後はやはりしっかり食べておきたいところ。どうせなら街一番の展望を楽しみながらおいしいグルメに舌鼓を打つ、なんていうのもいいだろう。そんな展望レストラン「スカイライン・クィーンズタウン・レストラン」へは、クィーンズタウンの街中に乗り場がある「スカイラインゴンドラ・クィーンズタウン」に乗って、標高790m(街からは456m)まで一気に上る。このゴンドラは南半球でもっとも傾斜のある場所に立てられているようで、ゴンドラからの景色はなかなかスリリングだ。

「スカイラインゴンドラ・クィーンズタウン」から街を見下ろす

頂上には展望レストランの他、展望バーもある

展望レストランはゴンドラがたどり着いた頂上にあり、ランチとディナータイムにビュッフェが堪能できる。ディナービュッフェでは、ラムやビーフ、ムール貝などと新鮮なニュージーランド産の食材を利用したインターナショナルなグルメをそろえている。ニュージーランドの人たちも大好きな寿司も、巻き寿司にして提供される。

ニュージーランド産の食材を用いたインターナショナルな料理がそろう

目の前で切り分けてくれるラムやロースビーフはぜひ食べておきたい。また、デザートやチーズ、果物もそろえているが、ケーキ一つひとつが大きく、全種類を制覇するのはなかなか難しそうだ。ランチビュッフェはゴンドラ付きで大人ひとり57NZドル(約4,570円)、ディナービュッフェはゴンドラ付きで大人ひとり82NZドル(約6,580円)となっている。

ケーキ一つひとつが大きい。"別腹"を用意しておきたい

身体においしい体験&グルメ

マラソンの翌日は特に節々が痛くて、思うように身体を動かすことができないもの。ゆっくり身体をほぐすヨガと身体においしい朝食で目覚める朝なら、きっと身体もついてきてくれるはず。クィーンズタウンの中心地からクルマで5分のところにあるホテル「シャーウッド」では、ビジターも利用できるレストランやスパ&ウェルネスセンター、アクティビティを備えている。

ホテル「シャーウッド」のレストランとスパ&ウェルネスセンター

シャーウッドはレイクワカティプやリマーカブルズ山脈を望む丘の中腹にあり、1986年まで使われた建物をリノベーションして2014年にオープンしたばかり。木のぬくもりを感じる建物にニュージーランド伝統の織物のカーテン、そして、窓から外を眺めるとバイオダイナミック農法を用いた菜園が広がってるなど、"自然と人に優しい"が詰まった場所になっている。

窓の外にはレイクワカティプやリマーカブルズ山脈、そして菜園が広がっている

ヨガはリストラティブヨガやストレッチヨガなどいくつか種類を設けており、月ごとにスケジュールを組んだクラス制で実施している。60分=10NZドル(約800円)と気軽に楽しめるのもうれしいところ。ヨガの他にも、ピラティスやタイ式マッサージ、オイルマッサージなどのプログラムもある。

ヨガインストラクターのケイティーさん。この時はランニング後の身体を労わるヨガを特別に実施してくれた

シャーウッドの一番のこだわりはグルメに詰まっている。菜園で毎日収穫される新鮮な有機農産物をはじめ、手作りのグラノーラやジャムなど手間暇かけてそろえた食材がテーブルに並ぶ。それぞれの料理には極力、砂糖や乳製品を使用しない身体においしい料理を目指している。

ヨガの前に用意されたスムージー(9NZドル=720円)は、カカオをベースにスーパーフードのマカパウダーも加えた身体が目覚める一杯。ブランチには、手作りグラノーラには手作りジャムやアーモンドクリーム、キウイをのせていただいた。砂糖は一切使用していないのだがしっかり甘さがあり、何よりも素直においしい。ブランチは12NZドル(約960円)から用意している。

ヨガの前にはスムージーを一杯。ブランチには手作りグラノーラを

シャーウッドのチーフシェフであるエインズリーさん自身、身体を壊した際に食事を改めるために一度、グルテンや砂糖を絶って身体をリセットさせたという。「現在社会にはレトルト食品のように手軽に食べられるものがあふれており、砂糖を用いないと甘さを知覚できなくなっている人もいます。あらためて身体に優しい食事を考えてみると、自分たちの祖父母世代の人たちが知らないような料理は、身体にいい影響を与えないのではという考えに至りました。ただ、全てをきっちりやろうとするとストレスがたまってしまうので、無理や我慢のない範囲で、身体のことを考えた食生活を心がけることをオススメしています」と話す。

ニュージーランドでは近年、小児糖尿病が問題視されており、国全体で食を見直す動きがあるといいう。異国の地で食文化を学びつつ、日々の食生活を見直すきっかけにしてみるのもいいかもしれない。

※1NZドル=80.2円で換算。記事中の情報は2015年11月取材時のもの
※取材協力: ニュージーランド政府観光局