標準付属のアクセサリーでさらに広がる表現力
ワイヤレス以外の機能も見てみよう。「430EX III-RT」のバウンス機能は上90度、左150度、右180度の回転に対応。右に90度までだった先代モデルに比べて、バウンス撮影の自由度が高まった。
照射角については、これまでと同じく24~105mmの画角をカバーし、ワイドパネル使用時は14mmに対応する。また、ワイドパネルと同じ場所にはキャッチライトパネルを新搭載している。
背面モニターは、視認性を高めたドットマトリクス液晶パネルを新たに採用。ユーザーインタフェースも一新され、十字キーと選択/設定ボタン、ダイヤルの3つが一体化した「電子ダイヤル」によって各種設定を行うようになっている。上位モデル「600EX-RT」とも異なる独自の操作系であり、最初は少々戸惑ったが、慣れればスムーズな機能設定が行える。ただ、グループ設定などの細かい操作面には改善の余地も感じた。
操作や設定をカスタマイズするため機能としては、23項目のカスタム機能と、8項目のパーソナル機能が用意されている。そのうち、新設された「配光特性」では、画角に合わせて最適な照射角が自動設定される「標準」のほか、周辺がやや暗くなるが実際の画角よりやや望遠寄りになる「ガイドナンバー優先」や、到達距離がやや短くなるが実際の画角よりも広角寄りにして周辺光量低下を抑える「配光優先」が選べる。シーンによっては役立つ合理的な機能といえる。
活用範囲を広げるアクセサリーとしては、「バウンスアダプターSCF-E2」と「カラーフィルターSBA-E2」が標準で付属する。バウンスアダプターは、発光部を壁や天井などに向けて撮影する際、光を広範囲に拡散させる効果がある。一方カラーフィルターは、電球照明下で撮影する際、ストロボ光の色を電球に合わせることで、被写体の色と光が届かない背景部分の色を最適化する働きがある。