さいたまスーパーアリーナにて10月25日、「ニコニコ動画」史上最大のライブイベント「ニコニコ超パーティー2015」が開催された。会場には約15,000人もの「ニコニコ」ユーザーが詰めかけ、歌やダンスなどのパフォーマンスを楽しんでいた。サイトが誕生してから9年、独自のカルチャーを発信し続けてきた「ニコニコ動画」の集大成ともいえるイベントを取材した。

「ニコニコ超パーティー2015」会場の模様

「ニコニコ超パーティー」は、もともと幕張メッセで開催されていた「ニコニコ超会議」で行われていたライブコンサート。「『ニコニコ』のほぼすべてを地上に再現する」をコンセプトに、2012年より開催されてきた「ニコニコ超会議」だが、今年からライブコンサートである「ニコニコ超パーティー」が分離されることが発表になっていた。同イベント自体が一つの興行として十分成立しうる規模を備えていたことや、「超会議」と「超パーティー」を同日に開催することが運営にとって負担になっていたのが理由ではないかと筆者は予想している。

さて、そんな「ニコニコ超パーティー」だが、せっかく分離するならということで、場所をさいたまスーパーアリーナに移して開催されることになった。幕張メッセのイベントホールと比べると2倍の規模の会場だが、リアルチケット(実際に会場に入るためのチケット)はあっさり完売する人気ぶりを見せていた。

開場前から多くの参加者が集まった

ライブコンサートというと、通常3~4時間程度を想像するかもしれないが、「ニコニコ超パーティー」は違う。昼の12時から夜8時まで、8時間ぶっ通しで開催されるというタイムスケジュールで、"8時間楽しむだけの簡単なお仕事"という「ニコニコ」らしいユニークなキャッチフレーズがつけられていた。8時間というと気が遠くなるが、アリーナへの入退場は自由なので、途中でホールから出て休憩することもできる。ライブ中心ではあるが、要は「超会議」と同じようなイベントだと考えた方がいいだろう。

もう一つの特徴は、さいたまスーパーアリーナのホールを2つ使用し、一つを「ライブステージエリア」、もう一つを「ゲーム実況ステージエリア」に割り当てて、同時に進行していたことだ。つまり、片方のエリアでは8時間ずっとライブコンサートが行われ、もう一つのエリアでは8時間ずっとゲーム実況が行われているのである。

二つのエリアは1枚のチケットで自由に行き来することができ、どの時間に誰が出演するのかもざっくりとわかっている状況だった。そのため、どちらのエリアにもお目当ての出演者がいる場合は、二つのエリアを行き来しながら楽しむことになるというわけだ。エリアの移動は一方通行となっており、移動には若干時間がかかるが、事故は起きにくいよう配慮されていた。もっとも、何度か行き来した感じでは、それほど大勢が一気に移動するようなシーンは見られなかった。

どちらに向かうか少し迷ったが、筆者は取りあえず、ライブステージが行われるエリアで開演を迎えることにした。まずは、そちらの模様をレポートしよう。

開演の瞬間

8時間にも及んだライブステージは、大きく4部構成となっていた。さすがに詳細なセットリストは公式サイトにも公開されていなかったが、誰が何部に出演するかという情報だけはまとまっていた。これは、先に書いた通り、お目当ての出演者がどのあたりで出てくるのかわからないと、ゲーム実況との行き来がしにくくなるからだろう。

「ニコニコ超パーティー」の主役は、「ニコニコ動画」に動画を投稿しているものの、普段は一般人であるユーザー出演者。ただし目玉として、毎年「ニコニコ動画」に縁のある著名人を"降臨してみた"として招いている。

今年は、GACKTが自ら主宰するプロジェクト「神威♂学園」として出演したほか、歌手の小林幸子、松岡充らが出演。小林幸子や松岡充は「ニコニコ超パーティー」以外の公式イベントにも何度も出演しており、「ニコニコ」ユーザーにとっては身近な有名人である。

第一部、オープニングアクトを飾ったのは、その"降臨してみた"より「神威♂学園」。GACKTのそっくりさんで、同学園の"性徒会長"である(という設定の)神威樂斗が学性たちを率いてステージに登場し、歌とトークで会場を盛り上げていく。