普段使いに十分なインタフェースを備える

2in1ノートパソコンとしてさまざまなシーンでガッツリ使おうとすると、気になってくるのが本体のパフォーマンスや拡張性だ。今回試したASUS TransBook TP200SAは、プロセッサにIntel Celeron N3050(1.60GHz/最大2.16GHz)を、グラフィックスにCPU内蔵のIntel HD Graphicsを搭載している。メモリは2GB、ストレージは64GBのeMMCとなっている。

インタフェースは、本体左側面に電源コネクタとUSB 3.1(Type-C)、USB 3.0、microHDMI出力、microSDXC/SDHC/SDメモリーカードリーダーを、本体右側面にUSB 2.0とマイクロホン/ヘッドホンコンボジャックを装備している。

本体左側面には、電源コネクタとUSB 3.1(Type-C)、USB 3.0、microHDMI出力、microSDXC/SDHC/SDメモリーカードリーダーを備えている

本体右側面には、USB 2.0とマイクロホン/ヘッドホンコンボジャックが搭載されている

標準タイプのHDMIやSDカードスロットではなくmicroタイプなのが若干残念だが、そのかわり、次世代規格として注目されているUSB 3.1(Type-C)を搭載するなど、ほかに比べて一歩進んだ部分もある。

こうしたスペックを見る限り、メールや文書作成、写真編集などの日常的な作業であれば十分実用的な性能を備えていると推測できる。実際、今回試したかぎりでは、ノートPCモード、タブレットモードのいずれももたつきを感じることはあまりなく、アプリの動作も快適だった。

液晶ディスプレイ上部には30万画素のWebカメラが搭載されている

ベンチマークテストで具体的な性能も確認

もう少し具体的にパフォーマンスをみるため、いくつかのベンチマークを実行してみることにした。まず、Windows 8.1のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。

■Windowsエクスペリエンスインデックス(WinSAT.exe)

CpuScore(プロセッサ)

5

MemoryScore(メモリ)

5.5

GraphicsScore(グラフィックス)

4.2

GamingScore(ゲーム用グラフィックス)

不明

DiskScore(プライマリハードディスク)

6.85

結果を見ると、グラフィックス周りがやや弱いが、ほかは平均的なスコアといえるだろう。eMMCを採用しているため、ディスクのスコアがSSDほどとはいかないものの、HDDに比べれば格段に早いのが目にとまる。

続いて、PCMARK 8 Basic Editionを実行してみたところ、次のようになった。

「PCMark 8」のテスト項目のうち、日常的な作業の快適さを計測する「Home」の結果

決して高いスコアではないが、Celeronを搭載したノートとしては、意外に健闘している結果だ。重めのOffice系ファイルを使う場合は、ちょっとパフォーマンス不足かもしれないが、日常的な作業であれば十分だろう。

次に、3DMarkも試してみたところ、高性能PC向けの「FIRE STRIKE」が241、ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が1013、普及帯PC向けの「CLOUD GATE」が1531、モバイルデバイス向けの「ICE STORM」が18241となった。CPU内蔵のインテルHDグラフィックスということもあって3D性能は弱く、グラフィックスに負荷がかかるゲームはちょっと厳しそうだ。

3DMarkにおける各プリセットでの結果。グラフィックス性能に過度の期待は禁物

そこで、ゲーム系の「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」を実行してみたところ、次の結果になった。

■ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア

グラフィックス設定

解像度

スコア

評価

低品質

1280×720 2204 やや重い

標準設定

1280×720 1824 重い

最高品質

1280×720 1599 重い

ゲーム自体が動かないということはないが、やはり快適にプレイできるとは言い難い結果だ。

続いて「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリードが170MB/sを超えているなど、全体的に一般的なHDDよりかなり高速。特にOSの起動時などに影響する4Kのランダムリード/ライトのスコアはHDDよりも格段にいい。

3DMarkにおける各プリセットでの結果。グラフィックス性能に過度の期待は禁物

モバイル端末として出先でガンガン使う場合にきになるのがバッテリ駆動時間だが、本機の場合、バッテリーはカタログ値では最大約9.8時間の駆動が可能となっている。

そこで、画面の輝度を40%程度に設定してバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみたところ、11時間16分の駆動が可能だった(BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態からバッテリー残量5%になり電源が落ちるまでの時間を計っている)。これだけ長時間持てば、1日程度ならACアダプタを持ち歩かなくても安心して使えそうだ。