日本マイクロソフトは10月14日、「Windows 10 Partner Device Media Briefing」と題したプレスイベントを開催した。その名のとおりパートナー各社のWindows 10デバイスを一堂に会して披露する取り組みだが、ポイントはMicrosoftのOEM Division担当CVPのNick Parkerが来日した点だ。先日も東芝の「dynaPad」発表会にWDG(Windows and Devices Group)担当EVPのTerry Myerson氏がゲストスピーカーとして登壇するなど、Microsoftおよび日本マイクロソフトは新たな動きを見せている。
これはMyerson氏の発言にあるとおり「Windows 10が新たなフェーズに入った」からだ。7月29日のWindows 10無償アップグレードを"第1フェーズ"とすれば、今秋から今冬にかけて登場するWindows 10デバイスを中心とした施策を"第2フェーズ"と捉えているのだろう。今回のイベントは2部構成だが、ここでは第1部のキーノートを中心にお伝えする。
Windows 10第2章の開幕を知らせる平野社長
まず、日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏が、Windows 10無償アップグレードを開始した7月29日以降の取り組みを説明。いかにパートナー(ここでは協業するOEMベンダーを指す)企業を大事にしてきたのかを強調しつつ、2カ月間を振り返ってWindows 10の普及状況をアピールした。だが、Windows 10の登場はあくまでも第1章に過ぎないとも語る。
Windows 10、もしくは"One Windows"が目指す世界の第一歩に過ぎないとする平野氏。「現時点ではPC用Windows 10のみだが、本来は形状や用途、価格帯といったフォームファクタとして存在を目指す。今秋から、Windows 10を搭載したIoT、スマートフォン、タブレット、2in1 PC、デスクトップPC、大型スクリーンデバイスなど、多種多様な提供が始まる」(平野氏)。続けて「Windows 10の第2章が始まる」と、これからの取り組みを説明した。
既報のとおり、Microsoftは10月6日に自社ブランドのデバイスを多数発表し、翌日からワールドワイドで"デバイス発表ツアー"を開催しているという。先のMyerson氏が来日したのも、その1つだ。自社ブランドはもちろん、Windows 10を搭載するパートナーデバイスも一緒に盛り上げることで、「Windowsエコシステム全体が熱気にあふれ、可能性が高まるものと革新している」というMicrosoft CEO・Satya Nadella氏の発言を引用し、パートナーとの関係を重視していることを改めて強調した。
さらに、まもなく30周年を迎える日本マイクロソフトの成り立ちを振り返り、パートナーとの連係が不可欠だったとも。「今後もこの関係は変わらない」(平野氏)としつつ、Microsoftおよび日本マイクロソフトの目標である"革新的なパーソナルコンピューティング"の実現に対しても、パートナーとの連係が核となることを繰り返し強調した。Microsoftは自社ブランドデバイス→パートナーデバイスという順番で発表会を開催しているが、日本マイクロソフトはその順番を逆にしてSurface Pro 4に関する公式発表は後回し。今回のパートナーデバイスを優先したという。