9月28日からの3日間、サンフランシスコで開催されたエンタープライズ向けクラウドサービス「Box」が開催するイベント、BoxWorks15の2日目の朝のセッションに、AppleのTim Cook CEOが登壇した。
Box CEOのAaron Levie氏との対談では、Appleがエンタープライズ市場について、これまで発表してきたIBMやCisco Systems、このイベントで提携を発表したBoxなどの企業とともに取り組んでいく姿勢を明らかにした。昨年までのエンタープライズ市場での売上は250億ドルだったが、これを2000億ドルに引き上げる考えだ。
この対談で興味深かった発言について、今回は取り上げようと思う。
iOSとOS Xはそれぞれ取り組んでいく
これまでもAppleの幹部が繰り返してきたことだが、Tim Cook氏は対談の中で、競合となるMicrosoftについて問われて、iOSとOS Xを融合させる考えがないと答えている。
Windowsは、最新バージョンとなるWindows 10で、モバイルからPCまでを1つのOSに統合している。これによって、Windowsアプリは、「Windows向け」のアプリを作ることで、スマートフォン、タブレットからPCまでをカバーできることになった。
開発者にとっては、モバイルからデスクトップまで、効率的なアプリ開発が可能になり、Windowsプラットホームの魅力を高める。加えて、これまで業務でWindowsを利用してきた企業が、WindowsタブレットやWindows Phoneの活用促進の効果を見込むこともできる。
しかし、こうした考えについて、Tim Cook氏は「良いとは信じていない」と話した。iOS、Macそれぞれのプラットホームを維持して、より良い製品を目指していくことが、Appleの基本方針であることを確認したのだ。