ルンバが「モノを拾う」未来

コリン・アングル氏は、今回のルンバ980に搭載されたテクノロジーが革新的だと強調していたが、それは家庭用ロボットが飛躍するためのカギになりうるからだ。ルンバ980に搭載したiAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーションは、マッピングを可能にした。地図を作れるということは、「何がどこにあるのか」がわかるということ。これにクラウド連携などを組み合わせることで、将来的にはモノを拾いながら掃除するロボットも実現するかもしれない。「ルンバが掃除できるように部屋を整理整頓するのが大変」といった声も、これで解決できるだろう。コリン・アングル氏は「これ(=iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション)を礎に、さらなる進化を目指す」と語る。

コンテキスト(文脈)の理解は難しいが、マッピングやクラウド連携はその足がかりになりうる

市場のさらなる拡大を目指して

セールス・オンデマンド 代表取締役社長 室崎肇氏は「さまざまなニーズに対応するべく、掃除機が多様化するなか、iRobotはマーケットリーダーとしてロボット掃除機市場をけん引してきた」とする。コリン・アングル氏によれば、ロボット掃除機の販売金額は右肩上がり。なかでも、日本のロボット掃除機市場では、iRobotが73.8%のシェアを占めている。

ルンバ980の国内販売戦略については、セールス・オンデマンド 取締役 第一事業本部 本部長 池田明広氏が説明した。池田氏によれば、日本国内におけるルンバの購入意向率は約30%。「ロボット掃除機をまだ使ったことのない人にとっては、本当にきちんと掃除できるのか? といった懸念が導入の障壁となっている。こうした不安を解消したルンバ980で、購入意向がある30%へアプローチしていきたい」とした。

【左】日本のロボット掃除機市場でのiRobotシェア。【右】ルンバの認知率は約93%と高い