今回試用したLAVIE Tab W TW710/CBSは、デタッチャブルキーボードとデジタイザーペンが付属した上位モデルだ(別途、単体モデルも用意されている)。キーボードは従来と同じくコネクタとマグネットで物理的に接続するタイプ。キーボード奥にある溝の部分にタブレット本体を立てかけるように装着すると、本体から電源が供給されてキー入力できるようになる。

ただし、キーボードに本体を装着すると画面の角度が固定されてしまい、前後に動かして角度を調節するようなことはできない。クラムシェル型のノートPCのように好きな角度に画面を傾けて使えないのは少々残念。もっとも、角度を調節する手間が省けるのは便利でもある。

キーボードは、キーピッチが18.5mm、キーストロークが1.8mmあり打ちやすい。一部キーの幅が狭くなっているためデスクトップ用のフルサイズキーボード並みとまではいかないものの、長文入力でもほとんどストレスを感じなかった。

キーボードの手前にはクリックボタン一体型のタッチパッドが搭載されており、マルチタッチ操作やジェスチャー操作が行える。ただしパッドの天地が狭いためカーソルを大きく移動したい場合や縦にスクロールしたい場合などに一度で移動できないことが多く、若干不便に感じた。あくまでも補助的なものと考えた方がよさそうだ。

なお、キーボードの後部にペン収納スペースが用意されており、付属のデジタイザーペンを格納しておくことができる。また、製品には脱着式のペンホルダーも同梱されており、タブレット本体にペンを固定できるようにもなっている。面白いのは、このペンホルダーがUSBコネクタに挿して固定するようになっている点。USB機器を一緒に使いたい場合は不便だが、あまり使わないなら常時挿しておくのもいいかもしれない。

付属するデタッチャブルキーボード

キーボードの底面。後方が若干厚くなっており、机の上に置いたときに程よい傾斜がつく

タブレット本体をキーボードに装着したところ。画面角度は変更できないが、見やすい角度だ

本体とキーボードはこのように一体化することも可能

キーピッチは18.5mm、キーストロークは1.8mmあり、打鍵感は良い

キーボード後部はペン収納ホルダーも兼ねている

USBコネクタに挿して固定するペンホルダーが付属する

2048段階の筆圧感知が可能な新ペン

デジタイザーペンは、従来モデルは電磁誘導方式で1024段階の筆圧を感知するものだったが、新モデルは静電結合方式で2048段階の筆圧感知が可能なものに変更されている。

この静電結合方式とは、電磁誘導方式に匹敵する精度を低コストで実現するペン入力技術のこと。電池レスな電磁誘導方式と異なりペン側に電池が必要なためペンの直径がどうしても太くなってしまうが、本機の場合は9.5mmと程よい太さで、個人的には従来の直径7.4mmのペンよりも持ちやすく書きやすい印象だった。

ちなみに、ペンの筆圧感知の精度が上がったことで、書き味が良くなっていた。たとえば、線の入りや抜き、線の抑揚は、より自然でなめらかな表現ができるようになった。また端末の性能が上がったこともあってか、ペンの追随性も良好で、シンプルなブラシなら筆跡がペン先から遅れず追随してくれる。手書きメモには十分すぎる性能で、スケッチやイラスト、フォトレタッチなどにも活用できそうだ。

製品付属のデジタイザーペン。ほどよい太さで持ちやすい

ペンは書き味、追随性ともに良好だった

デジタイザーペンのドライバー。柔軟にカスタマイズできるのも好印象