劇的に進化したのはカメラ機能
それよりも劇的に進化したと感じたのは、カメラ機能の方だ。
まず、800万画素だった画素数が1200万画素に向上した。画素数が上がると画質が落ちるのではないかという不安があるが(一般的には画素数が増えると画質が向上すると思われがちだが実は逆である)、杞憂だった。自前のiPhone 6 Plusと何枚か撮り比べてみたが、画質の劣化は感じない。逆にいえば特に向上もしていないわけだが、画質を保ったまま400万画素アップしてきたのは、かなりがんばっていると思う。
それよりも、実はPlusと非Plusによる画質差の方が大きい。というのも、iPhone 6s Plusに搭載されている光学手ブレ補正がiPhone 6sにはないため、手ブレを防ごうとしてシャッター速度とISO感度を上げる傾向にあるからだ。ISO感度が上がると画質は顕著に落ちるため、夜間など光の少ない場所ではiPhone 6s Plusの方がiPhone 6sより画質が良くなる。
夜景を撮影してみたが、Plusの方は1/4秒までシャッター速度を落としてもブレていないのに対し、6sの方は1/15秒までシャッター速度が上がり、にも関わらず少しブレている(これは筆者の腕のせいもあるが)。もちろんPlusと非Plusの最大の違いはディスプレイサイズなのだが、写真に関しても違いがあることは覚えておきたい。
また、細かいところでは、前モデルと比べてホワイトバランスが少しだけ暖色傾向に変わった印象を受けた。
お皿の白い部分に注目してほしい。iPhone 6sで撮影した写真の方が、わずかに黄色がかっている。この1枚だけでなく、他の写真も同じ傾向だったので、ホワイトバランスが調整されているとみてよさそうだ。人肌や料理に関してはこちらの方が好ましい印象である。
FaceTimeカメラに関しても大きな進化があった。画素数が120万画素から500万画素になり、さらにRetina Flashなる機能が搭載された。これ、簡単にいうと画面そのものを強く光らせてフラッシュを代用するというもの。言うまでもなく、世界的なセルフィー(自撮り)ブームを受けての進化だろう。
光量は決して強くないのだが、そもそも自撮り自体、自分の顔がカメラに近いので、この程度でも十分である。
Retina Flashの光量調整はかなりうまいが、さすがに真っ暗な場所では"いかにもフラッシュを焚いて撮った写真"になってしまう。むしろオススメしたいのは、逆に明るい場所で使う方法だ。たとえば逆光で背景が白く飛んでしまうのを防いだり、顔の影を消したり、瞳にキャッチライトを入れて表情を生き生きさせたりする用途で使いたい。