3D Touch

まずは3D Touchから試してみよう。これは画面を強く押しこむことで使える便利機能のこと。長押しではなく、画面をグッと押す"強押し"である。言葉だとわかりにくいが、実際に使ってみるとその違いはすぐにわかる。

この強押しで何ができるのか。たとえばホーム画面でアプリアイコンを押し込むと、ショートカットが表示される。カメラなら「セルフィー(自撮り)を撮る」「ビデオ撮影」「スローモーション撮影」「写真を撮る」といった具合だ。

強押しすることでショートカットなどの機能が使える

たとえばこれまで、FaceTimeカメラ(内側カメラ)で自撮りする場合、一旦カメラを起動してからカメラの向きを変えるアイコンをタップして切り替える必要があった。強押しから「セルフィーを撮る」をタップすると、その切り替え作業をすることなく、いきなりFaceTimeカメラを起動できるというわけだ。また、メール画面では1回目の強押しでメールの中身をのぞき見することができ、そこからさらに2回目の強押しでメールを開くといった機能もある。

これだけだと、ほんのちょっとした手間をショートカットしているだけに思えるが、今後サードパーティーのアプリにも強押しが加わってくると、思いもよらぬ便利なアイデアが生まれる可能性もある。これまで、タップ、スワイプ、長押しという平面的な操作しかなかったiPhoneに縦軸の動きが追加されたわけで、実はこれ、けっこう大きな進化だと思う。

画面の左端を強押しすると、ホームボタンダブルクリックと同じくアプリ切り替え画面を呼び出せる

……と、3D Touchの可能性については大いに期待したいところだが、気になる点もある。強押しがハードウェアに依存した機能であり、現状ではiPhone 6s/6s Plusしか使えないということだ。もちろん、今後どんどん新機能や対応アプリが追加されるのだろうけど、iPhone 6/6 Plus以前の機種を使っているユーザーを切り捨てるわけにもいかないだろうから、3D Touchに重要な機能は載せづらい。そのため、しばらくは"あるとちょっと便利な機能"に留まるのではないだろうか。

3D Touchはたしかに便利だが、現時点ではiPhone 6から機種変更してでも急いで導入すべき! とは言い難い。