超コンパクトなハイエンドVGAカード

AMDから新GPU「Radeon R9 Nano」が登場、搭載グラフィックスカードが各社より発売された。「R9 FURY X」「R9 FURY」と同じFijiコアを採用したGPUで、広帯域メモリ「HBM」をチップ上に搭載している。10万円超えの高値が付けられているが、入荷がそれほど多くないこともあり、一部ショップでは完売も出ている。

とてもハイエンドとは思えないサイズの「Radeon R9 Nano」カード

期待の新製品だけに、店頭のイラストにも力が入る(TSUKUMO eX.)

Nanoのストリームプロセッサ数はFURY Xと同じ4,096基。コアクロックこそ1,050MHzから1,000MHzへと抑えられているが、その差は僅かだ。ところが、消費電力は175Wと、100Wも削減。冷却はシングルファンの小型クーラーになり、カードの長さは15cm程度と、驚きのコンパクトさを実現した。

メモリがGPUと一体化することで、基板上からメモリチップが無くなり、基板を短くできるのがHBMのメリットの1つ。だが消費電力の大きさから、FURY Xは簡易水冷クーラー、FURYは大型空冷クーラーを搭載しており、コンパクトさが活かせていなかった。Nanoはまさに、「HBMの本領を発揮した製品」だと言えるだろう。

■ベンチマーク記事はこちら
【レビュー】「Radeon R9 Nano」を試す - "コンパクトなハイエンドカード"の実力を探る

店頭での発売が確認できたのは以下の各モデル。いずれもリファレンス準拠の製品で、出力端子として、DisplayPort×3とHDMI×1を搭載している

メーカー 製品名 価格
SAPPHIRE SA-R9NANO-4GAMD 108,000円前後
GIGABYTE GV-R9NANO-4GD-B 108,000円前後
玄人志向 RD-R9-NANO-E4GB-HBM 106,500円前後
XFX R9-NANO-4SF6 107,784円(ドスパラパーツ館)
PowerColor AXR9 NANO 4GBHBM-DH 107,784円(TSUKUMO eX.)

カードは2スロット厚。DisplayPort×3とHDMI×1を搭載する

省電力化により、補助電源コネクタは8ピンが1つだけになった

GTX 980 Tiに真打ちのLIGHTNING!

MSIの「GTX 980Ti LIGHTNING」は、同社グラフィックスカードのハイエンドモデルに与えられる「LIGHTNING」ブランドの製品だ。GPUはGeForce GTX 980 Tiで、トリプルファンの「TriFrozr」クーラーを搭載。コアクロックは通常の1,000/1,075MHzから1,203/1,304MHzへと、大幅に引き上げられている。価格は126,000円前後。

MSIの「GTX 980Ti LIGHTNING」。久しぶりのLIGHTNINGモデルだ

TriFrozrクーラーを搭載。9cm径の「Torx」ファンが3つ使われている

性能には関係ないが、カラーを変えられる「Mystic Light」機能も

極冷もサポート。液体窒素用の「LN2 BIOS」やヒートシンクが付属