1人1人がリーダーシップを持て
――上司との付き合い方も、若手社員にとっての大きな課題です
私が社会人1年生のときに教わったのが「上司が1+1=3と言ったら、学生は『違います、2です』と言う。しかし社会人なら『そうですね』と言い、翌日に『よく考えましたが、2だと思うのですが』と言いなさい」ということ。何でも上司の言いなりに、という意味ではなく、世の中は正論だけではダメだ、という教えです。
チームで仕事をするにあたっては、何と言っても、お互いが最大限の力を発揮してうまく動くことが大切です。そのためには、若手社員も上司をうまく使う方法を覚える必要がありますね。
――部下が上司を動かすなんて、考えもしませんでした
一例を挙げるなら、ここぞという大きな商談のときには上司に同席してもらう、というのも上司の使い方になるでしょう。上司には、現場のリアルな状況は見えていませんから、そういうときには若手社員が声をかけて上司を商談に連れて行き、商談の場では若手社員がリーダーとなって方向性を示せばいいのです。
――リーダーでなくてもリーダーシップを発揮する、ということですね
リーダーシップとは、権限を振りかざすことではなく、組織をうまく動かす能力のことです。現場に出ている若手社員は、最先端の情報や顧客のニーズに触れられるのですから、「今何をすべきか」が一番良くわかる。つまり、リーダーシップを発揮できる場面は多いはずです。そうしたチャンスを見逃さずに学び、行動すれば自ずとキャリアが拓けてきます。
――刺激的で、勇気が出るお話をたくさん伺いました。ありがとうございました!