西脇氏、Surface HUBと「Cortanaさん」をアピール
最後の登壇者は、日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏。日本マイクロソフトのイベントではお馴染みの御仁だが、ここではコンシューマー向けアイテムについてだけピックアップして紹介する。
西脇氏のキーノート(というよりもプレゼンテーション)は、Windows 10の機能紹介から始まった。最初にスタートメニューに関するアピールを行ったが、西脇氏は「ものを探すという行為をクリック、クリックと重ねないでよい」と語りつつ、検索ボックスの使用例を実演しながら紹介。例えば「Wi-Fi」の機能を呼び出す場合は、検索ボックスで「Wi-Fi」と検索すれば「設定」の「Wi-Fiの設定を変更する」が現れる。
また、タッチ操作時は反応をディスプレイ上で描く演出機能に関する設定も、検索ボックスから「タッチフィードバック」と検索すればよいと説明した。このように深い階層にある設定項目を探したり覚えたりするのではなく、検索ボックスから探すスタイルに移行した方がWindows 10は使いやすくなるという。
Windows 10に関してはMS-IMEのクラウド候補機能に関してもプレゼンテーションを行ったものの、ネットワーク回線の問題かクラウド候補が現れることはなかった。興味深かったのはWindows Helloの顔認証である。具体名は明らかにしていないが、形状からIntel RealSense 3Dカメラ(F200)と思われるデバイスをSurface Pro 3に接続して、瞬時で顔認証によるサインインを行っていた。
平野氏が改めて登場し、顔認証のデモンストレーションに参加したが、顔認証の設定は「サインインオプション」に「顔認証」が加わるという。筆者も初めて目にするが「ユーザーの顔を認識したら自動的に画面のロックを解除する」「セキュリティを高めるため、画面のロックを解除する前に頭を左右に動かするように要求する」(原文ママ)といった項目が加わるようだ。なお登録は、顔骨格データを分析するため結構な時間を要する。
続いて84インチのSurface HUBを用いたデモンストレーションを披露。付属ペンを用いてホワイトボード風な使い方や、ユニバーサルWindowsアプリ「マップ」で3D都市を表示させながら画像をクリッピングし、その内容を描き込みながらSkypeで会議……といった実践的な内容である。また、平野氏の私物(という名目)のWindows PhoneをSurface HUBに接続して画面を映し出すデモンストレーションも行われた。
コンシューマー系のテーマでは、日本語版Cortanaに関するデモンストレーションが見ものである。既にWindows 10 Insider Previewをお使いの方はビルド10532で使用可能だが、生まれたばかりのサービスであるため、誤認識や珍回答で和ませてくれるといったレベル。会場でも「傘は必要」と質問するとCortanaは「すいませんが、携帯電話からしかテキスト送信はできません」と妙な回答で会場を笑わせるシーンもあった。
だが、西脇氏が行ったスケジュール登録は確かに実用的である。「日曜日に歯医者の予定を入れて」と語りかけるとCortanaは「何時に始まりますか」と回答。西脇氏が「朝10時」と答えると、最後に確認を求めてくる。西脇氏が「いいえ」と回答するとCortanaは「タイトルと時間のどちらを変更しますか」と回答。ここで「タイトル」と答えてスケジュール内容の変更と登録が完了した。現時点ではテキスト入力の方が圧倒的に早いものの、スマートフォンなどを使う場合は音声入力の有用性も大きく高まるだろう。西脇氏は「(Cortanaは機械学習で成長するサービスのため)皆さんのお力添えで育てていただきたい」と、デモンストレーションをまとめた。
阿久津良和(Cactus)