「通知」「活動記録」「決済」をバンドの中に
wenaは、いわゆるスマートウオッチである。だが、一般的なスマートウォッチとは異なり、時計のムーブメントの部分にはIT関連の機能は一切入っておらず、バンドの側にまとめられている。
サイズの制約もあってシンプルにまとめられているが、スマートウォッチとしてのwenaの機能はなかなかに充実している。
スマートウォッチといえば、スマートフォンからの「通知」機能が基本。wenaの場合にも、振動とカラーLEDの発光で知らせてくれる。また、活動量計の機能もあり、こちらは、wenaのバンド内にある振動センサーで、歩行量などの計測ができる。
そして、一番の特徴は「FeliCa内蔵」ということだ。決済系のサービスが、腕から利用できるようになる。他のスマートウォッチ同様、各機能はBluetooth LEでスマートフォンと連携することで動作する。
将来的にはポケットの中を空っぽにしたい
wenaのプロジェクトを統括する、ソニー 新規事業創出部 wena事業準備室 統括課長の對馬哲平さんは、開発の狙いを次のように説明する。「とにかく持ち物を減らしたかったんです。将来的にはポケットの中を空っぽにしたい。でも、複数デバイスを腕につけるのは不自然ですし、スマートウォッチもほとんどが、いかにもスマートウォッチだとわかる外観をしています。ですので、最高に自然なものを作るにはどうしたらいいか、と考えてこの形にしました」。
wenaは時計のバンド部に全ての機能が入っているが、サイズが若干厚めであることを除くと、一般的なバンドと変わりない。メタルバンドとしての素材はステンレスで、時計一般に期待される耐水性・防塵性を持ち(IPX5/7相当を想定)、自然に曲げることもできる。サイズは一般的な男性用時計バンドと同じ。取付方法も同じだ。
だから、時計側を自由に交換することもできる。これは、「愛着のある時計を使える」という側面と、「機能アップがあった場合には、バンドの側だけを変えればいい」という二つの側面から考えられたものである。今回のプロジェクトでは、一体性を持たせたデザインを重視し、時計部とのセットでのみ販売されるが、時計部には色と機能で4つのバリエーションが用意される。
時計部分はシチズンからのOEMであり、機能面では問題ない。デザインはソニー側でバンドに合わせて作ったオリジナルのものだが、過去に長く時計のデザインを手がけた経験のあるスタッフが担当したという。